受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

未来を期待される学校

(「23年10月」より転載/23年9月公開)

富士見丘中学高等学校

個別型のきめ細かい指導を徹底
留学制度や国際プログラムも充実させ 鍛えた英語力で国内外の難関大学へ

所在地〒151-0073 東京都渋谷区笹塚3-19-9

交通京王線「笹塚」駅より徒歩5分

TEL03-3376-1481

HPwww.fujimigaoka.ac.jp

 「国際性豊かな若き淑女の育成」をめざして設立され、80年を超える歴史を持つ富士見丘中学高等学校。女子に特化したきめ細かい少人数教育に定評があり、なかでも独自の英語教育では高い評価を得ています。生徒一人ひとりの習熟度に合わせて、徹底的に伸ばす授業や手間暇を惜しまない指導体制、多彩な留学プログラムなど、同校の英語教育について英語科主任の田中裕樹先生に伺いました。

入学時の習熟度に応じて
四つのコースで英語を学ぶ

校長写真
英語科主任 田中 裕樹 先生

広野 小学校で英語が必修化され、中学入学段階での英語力の差が広がっています。

田中 確かに本校でも、中学入学時の英語力はさまざまで、それに伴う英語教育へのニーズは多様です。帰国生あるいはインターナショナルスクール出身で高い英語力を持つ生徒もいれば、小学校での学習以外はしていないという生徒もいますから、それぞれの英語力に合わせたコースを設定し、習熟度に応じた4コース制の少人数教育で英語力を伸ばしています。

広野 英語のコースについて教えてください。

田中 初心者の生徒を対象にするのが「一般コース」です。中学校に入ってから英語力を伸ばすノウハウを持つコースで、教科書ベースの授業に加え、独自科目や週3時間のネイティブ教員による授業などを組み合わせた多彩な学びが特徴です。全生徒の4分の3が所属しています。

 残り4分の1の生徒が学ぶ「英語特別コース」は、さらに三つに細分化しています。最上位のコースが「英語特別コースインター」で、中学入学時に英検®2級以上の力を持つ生徒が対象です。英語にかかわる授業はすべてネイティブ教員が担当し、海外大学への進学も見据えたコースです。一定の英語力はあるものの、すべてがネイティブ教員の授業は不安という生徒は「英語特別コースB」に所属し、一部のインターの授業に参加する形で英語力を生かしていきます。そして四つめが「英語特別コースA」です。英検®4級から3級程度の力を持つ生徒が対象で、小学校に英語教育が導入されて以降、志願者が増えているコースです。

手間をかけた新旧融合型教育で
4技能をバランスよく伸ばす

広野 それぞれの力に応じたコース設定は、貴校の大きなアドバンテージだと思います。

田中 教科としてもっとも大切にしているのは、4技能をバランスよく伸ばすことです。いずれのコースでも、教科書やプリントを使ったオーソドックスな学習をするだけでなく、ICTを活用した新しいプログラムも取り入れながら、新旧融合型の英語教育を行っています。土台づくりに時間をかけることで英語初心者の生徒もしっかり伸び、中3時には4分の3の生徒が英検®準2級を取得しています。

広野 どのような指導をされているのですか。

田中 たとえばライティングでは、教員が時間をかけて一人ひとりの生徒の英文を添削します。課題の一つ「週末エッセイライティング」では、ネイティブ教員と日本人教員の2人が1人の生徒のライティングをチェックし、教員のコメントやアドバイスを生徒がどこまで理解できているかも確認しながら、毎週細かく添削しています。スピーキングの指導では、生徒が自宅で録音した音声データを提出させ、必ず教員がコメントを返却しています。

 週に一度、授業のなかで実施しているオンライン英会話では、振り返りシートをしっかり書かせて、学びの継続性を確立します。さらに放課後には、8名のネイティブ教員による英会話教室も実施しています。年度末には、学年ごとに「レシテーション」「Show and Tell」「修学旅行スピーチ」といったコンテストを開催し、身につけた英語を発信する機会を設けています。

広野 高卒時にはどの程度の力が身につくのでしょうか。

田中 中学段階で準2級までを取得した生徒は、高校卒業時には準1級程度の力をつけます。すると早慶上智や国公立大学が見えてきます。

広野 高い英語力は大学進学の際の武器にもなりますね。

田中 そうですね。英語という軸の周りを自分の得意な分野で固める生徒が多いです。もともとグローバル系の分野に関心があり、英語を生かす学部に進みたいといったニーズが多いため、上智大や立教大などの文系学部への進学者が目立ちますが、最近は理系学部を志望する生徒も増えています。

■2023年度 主要大学合格実績(卒業生102名より抜粋)

東京都立大学2名University of Michigan 【第23位】
早稲田大学6名University of Washington【第25位】
上智大学22名University of California, San Diego【第32位】
国際基督教大学2名Georgia Institute of Technology 【第38位】
東京理科大学2名Rice University【第147位】
学習院大学4名Texas A&M University【第181位】
明治大学10名Texas Wesleyan University
青山学院大学11名University of Texas at Arlington
立教大学21名University of Central Arkansas
中央大学7名University of Nebraska at Omaha
法政大学10名Pacific Rutheran University

※【  】内は英国Times Higher Educationによる「世界大学ランキング」順位

中学生のうちから留学に挑戦
海外大学が現実的な選択肢に

イメージ01現在のネイティブ教員は8人。今春の入学者の増加に伴い、すぐに1人増員しました

広野 海外留学についても充実した制度を整えていますね。

田中 数ある留学制度のなかでもっとも手軽なのが、中2以上が対象のイギリス短期留学です。春休みに約3週間イギリスに行き、ホームステイや姉妹校での授業を経験します。さらに、本校が指定校推薦の枠を持つロンドン大学キングスカレッジを訪問し、先々の進路を考える時間も設けています。

広野 海外大学に指定校推薦で入学できるのですね。

田中 ロンドン大学キングスカレッジのほか、オーストラリアのクイーンズランド大学にも推薦枠があるので、多様な選択が可能です。今年度は海外大学に計11名の生徒が合格しました。

広野 海外大学進学が現実的な選択肢なのですね。

田中 イギリス2校、カナダ3校、オーストラリア3校、そして新設のグアムなどの提携校に、3か月ほど留学するターム留学制度も用意し、多くの生徒が参加しています。こうした体験が海外大学進学をめざすきっかけになっていると感じます。

広野 最後に、受験生にメッセージをお願いします。

田中 富士見丘は規模の大きな学校ではありませんが、その分、生徒一人ひとりのニーズに全力で応えている学校です。入学時の英語の習熟度は十人十色ですが、それぞれに目標設定をして卒業までに力を伸ばせる、きめ細かいカリキュラムを整えています。

ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック

 富士見丘では探究学習にも力を入れています。中高大連携のアクティブ・ラーニングが特徴で、中1からグループ学習や自主研究に取り組み、高1では鹿児島県でのフィールドワークや慶應義塾大学大学院とのワークショップに挑戦。高2になると、集大成として国内外の大学と連携しながら学ぶグローバルスタディ演習に臨み、海外でのフィールドワークで得た探究成果を全員が英語でプレゼンテーションします。みずから考え行動する中高6年間の学習を通じて、生徒たちは大いに成長するそうです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

INFORMATION

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.fujimigaoka.ac.jp/exam/junior/briefing/

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