受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

未来を期待される学校

(「23年10月」より転載/23年9月公開)

安田学園中学校高等学校

創立100周年を迎える伝統校
学校完結型の教育システムで 「自学創造」の学びを実践

所在地〒130-8615 東京都墨田区横網2-2-25

交通都営大江戸線「両国」駅より徒歩3分、JR総武線「両国」駅より徒歩6分、都営浅草線「蔵前」駅より徒歩10分

TEL03-3624-2666

HPwww.yasuda.ed.jp

 安田学園は、安田財閥を築いた安田善次郎によって、1923(大正12)年に設立された伝統校です。2014年に男子校から共学校に移行し、時代や社会が求めるグローバル人材の育成に努めています。今年11月に創立100周年を迎えるに当たって、学習内容をはじめ、制服や施設のリニューアルを進めている同校。その具体的な内容や教育の特色について、校長の稲村隆雄先生にお聞きしました。

今年度から「先進」コースに一本化
学年全体に生まれる一体感

校長写真
校長 稲村 隆雄 先生

広野 今年度から「総合」「先進」の2コース制を廃止し、「先進」コースに一本化されました。生徒たちの反応はいかがですか。

稲村 コースの垣根をなくしたことで、生徒たちに一体感が生まれ、学年全体の雰囲気が良くなったと感じています。すべてのクラスが同じ地点から出発し、同じペースで進むので、学習面での安心感もあるようです。

広野 創立100周年を迎えるに当たって、さまざまな記念事業を進めていらっしゃいます。具体的な内容について教えてください。

稲村 校舎北館の1階に安田学園記念館(仮称)として、学園の歴史を視覚的に展示するスペースを設けます。創立者の実業家精神や、先輩方の学園生活について、今の在校生に知ってもらうのが狙いです。また、コロナ禍で一時閉鎖した食堂やコンビニを改装し、自習室や一般教室のほか、生徒たちが集まって話し合いができるコミュニケーションスペースを作ろうと動いています。

 それに加えて、中学と高校で分かれていた制服のデザインを、今年度の入学生から中高共通のものに刷新しました。アイテムやカラーにバリエーションを設け、気候や個性に合わせた自由な着こなしができるように考慮しています。

2年連続で東大合格者を輩出
高い実績を支える学校完結型の教育

イメージ01中1から高2までを対象とした探究プログラム。まず中1は「干潟探究」から、探究の基礎を学びます

広野 教育目標である「自学創造」には、どういう思いが込められているのでしょうか。

稲村 この「自学創造」がめざすのは、みずから考え、学ぶことによって学力を伸ばす教科学習と、課題の追究によって創造力を高める教科外学習の両輪で、創造的学力を形成することです。具体的には「仮説力」「協創力」「実行力」「自己統制力」「人間力」の五つをバランスよく伸ばし、国際社会に通用するスキルを身につけさせたいと考えています。

広野 特徴的な学習システムについて教えてください。

稲村 本校では通常授業をメインに据え、それを補足するためのさまざまなプログラムを用意することで、学校完結型の教育を実践しています。たとえば、中1から高2の2学期までは「学び力伸長システム」により、基礎知識を網羅的に確認する到達度テストを年2回行います。また、定期試験前の1週間を「独習ウィーク」と定め、自学のこつや計画の立て方を身につけながら、学習習慣の確立を図ります。

 また、高2の3学期から大学受験までの「進学力伸長システム」では、夏期講習・冬期講習をはじめ、大学入試対策の演習を行う放課後進学講座により、志望大学に合格できる確かな学力養成に励みます。それらに加えて、卒業生のチューターによる学習相談の場も設けています。年齢の近い先輩に質問したり、受験のアドバイスをもらったりできるので、生徒たちには良い刺激になっているようです。

広野 それらの教育効果は、近年の好調な大学合格実績にも表れていますね。

稲村 昨年に続き、2年連続で東大合格者が出たほか、GMARCH以上の大学に過去最高の400名が合格しています。また、医学部医学科にも4名が合格しました。特色あるカリキュラムもさることながら、昨年、一昨年の先輩たちの姿を見て、「自分たちも後に続きたい」と発奮してくれたことが、この結果につながったのだと思います。

次の100年も高みをめざしていくための
充実したグローバル体験と探究プログラム

広野 グローバル体験にも力を入れていると聞きました。

稲村 はい。最も特徴的なのは、中3生全員が参加する2週間のニュージーランド語学研修です。ニュージーランドまたはオーストラリアで過ごす希望制の3か月留学も今年1月から再開しました。3か月留学では、「1人1校」を原則として、派遣先の学校にほかの日本人がいない環境で学ぶことを重視しています。教員が直接足を運び、「ここなら任せられる」と思えた学校とのみ提携しているので、安心して生活できるのがポイントです。

広野 探究プログラムやクラブ活動についてはいかがですか。

稲村 中1では干潟の生き物を調べる探究活動を、中2では新潟県十日町市でトキの探究活動を行います。いずれも「観察→疑問→仮説→検証→考察」というサイクルを意識し、探究活動の基礎をしっかり学んでいきます。

 一方で、クラブ活動も盛んです。チアリーディングクラブが全国選手権大会に出場したほか、高校生物クラブはマルハナバチの研究で、第8回高校生国際シンポジウムのポスター発表(生物学分野)における最優秀賞を受賞しました。

広野 体育系・文化系ともにすばらしい実績を残していますね。さて、貴校の人気も年々高まっています。次の100年に向けて、今後の展望を聞かせてください。

稲村 学校完結型の教育にさらに磨きをかけていきたいと考えています。生徒や保護者の方々の期待に応えられるよう実績を積み重ね、今後もさらに高みをめざしたいですね。

広野 最後に受験生に向けてメッセージをお願いします。

稲村 本校は隅田川に近い緑豊かな環境の下、伸び伸びと過ごせる学校です。さまざまな活躍の舞台を用意していますので、好奇心旺盛な受験生の入学をお待ちしています。

ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック

 学校完結型の教育を実践し、中高6年間で学力を大きく伸長させる安田学園では、英語教育にも力を入れており、高校卒業までに英検®準1級の取得をめざしています。授業ではほとんど日本語を介さず、グループワークやペアワークを中心に4技能を鍛えています。また、オンライン英会話や英検®講座を立ち上げてサポートを強化していることもあり、年々準1級の取得者が増えているそうです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

INFORMATION

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.yasuda.ed.jp/admission/briefing_j/

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