受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

SCHOOL LIVE!

(2023年7月公開)

鎌倉学園中学校・高等学校

第61回学園祭(鎌学祭) 6月10日(土)・11日(日)
入場制限なしの一般公開は4年ぶり
学園祭に懸ける生徒たちの思いが結集

 古都鎌倉の豊かな自然と多くの史跡に囲まれた環境で、「自主自律」という禅の精神を現代に受け継いできた鎌倉学園中学校・高等学校。100年を超える伝統と、自由な校風を感じさせる学園祭(鎌学祭)が今年も開催されました。入場制限なしの一般公開は4年ぶりとなり、あらゆる面で本来の学園祭が復活。この祭典を成功させようという生徒たちの思いが一つになり、鎌倉学園にしかできない学園祭をつくり上げて来場者を楽しませてくれました。

意志を持って鎌学の日常を取り戻し、来場者を迎える


たくさんの旗が来場者を迎えます。スローガンの「磨穿鉄硯」に強い意志を感じ、学園祭を楽しもうという気持ちが高まります
 6月10日(土)と11日(日)の両日、鎌倉学園中学校・高等学校で第61回学園祭が行われました。鎌倉五山筆頭の建長寺に隣接するキャンパス周辺はアジサイの見ごろで、毎年多くの参拝客が観賞に訪れます。2日目の11日はあいにくの雨でしたが、北鎌倉駅から同校へと続く道は朝から徐々に人が増え始めました。昨年の学園祭は予約制・入替制での一般公開でしたが、今年は制限なしの一般公開となりました。学校に到着して目にしたのは、文化祭の定番である入場門ではなく、無数ののぼり旗です。校門から会場へと続く通路には、同じ大きさ・色の旗が整然と並び、「これから学園祭だ」という気持ちを高ぶらせてくれます。


学園祭実行委員長(生徒会長)の渡邉結斗さん。「先生方は生徒と対等に向き合ってくれます。自由な校風なのでやりたいことを実現できます」と話します
 そののぼり旗に書かれた4文字は、今年のスローガンである「磨穿鉄硯(ませんてっけん)」。強い意志を持ち続け、志を遂げるという意味が込められたこのことばについて、学園祭実行委員長の生徒会長・渡邉結斗さんは、「実は、ぼくが中2のころから提案していたスローガンで、これまでは不採用でしたが、言葉の意味のとおり、思いを貫き、今年ついに採用されました」と話してくれました。さらに、「今年は入念な協議を重ねて飲食を復活させることができました。これは鎌学の日常を取り戻すことの一つだといえます。また、今年は入場制限なしということで重視したのが人の動線です。来場者が多くなることを予測し、昨年は規制しなかったエリアもビニールのテープで規制線を張り、立て看板もわかりやすいポイントに置くなどしました。スムーズな流れとともに、どのような順路だと来場者に楽しんでもらえるか、各団体の会場配置も考慮しました」と力強く語りました。

来場者に楽しんでもらうための工夫

 校舎に入ると、渡邉さんの言うとおり、人の流れがスムーズでした。会場の案内にひと役買っているのは、階段を上った先に設置されたデジタルサイネージです。その階の展示教室配置、映画研究同好会の自主制作映画の上映時間などが表示されていました。

 まずは渡邉さんが中3のときに有志で立ち上げたというSDGs同好会の展示へ向かいました。中学生のときのベトナム研修で現地の小学校の深刻な実情を知り、支援したいという思いから愛好会としてスタートし、今年同好会となったそうです。今回の展示はこれまでの活動の軌跡を中心とした内容となっています。

 例年人気の高い鉄道研究同好会の鉄道模型展示は、今年も人気で見応え十分。まず入り口(改札)で切符を受け取り、駅員役の生徒に昔なつかしい切符切りのはさみを入れてもらいます。レトロな駅看板も多数展示され、保護者も楽しめます。鉄道模型のクオリティーは高く、スイッチを押して模型の列車を動かす運転体験も小学生たちに大人気でした。

 生徒会広報部は、鎌倉学園の魅力をアピールする「ディープな学校説明会」を今年も開催しました。学校を紹介する生徒のトークがユーモアたっぷりで、受験生の保護者から笑いが起きていました。


SDGs同好会のこれまでの活動の軌跡とともに、SDGsに関する新聞記事の切り抜きを掲示。中学生も多数参加している同好会です


カマガク愛が伝わる生徒会広報部の「ディープな学校説明会」。楽しいトークで学校を紹介し、説明会は笑いで包まれます


鉄道模型を囲み、たくさんの小学生が目を輝かせていました。レトロな駅看板などもあり、大人も楽しめる鉄道研究同好会の展示


うちわに書いてほしい文字をリクエスト。書道部員がその場で美しい文字を書いてプレゼントしてくれます。受験生には「合格」などを、小さいお子さんには名前を


生物部は、研究結果の展示のほか、苔テラリウムの作成体験、観葉植物の無料配布、そして生物の展示など、内容が盛りだくさん。多くの人が足を止めます


今年ついに復活した飲食店エリアは大盛況。アニメの世界観を模した喫茶や、和風の茶屋など、各店にコンセプトがあります

応援団を待っていたかのように午前中の雨が上がる


大アリーナでは吹奏楽部、軽音楽部、有志のバンド、ダンスチーム、そして教員バンド「The Teachers」の熱いライブが行われます
 安全・安心を最優先に、今年から復活した飲食店のエリアは大盛況でした。和風の店構えの茶屋、レトロな純喫茶、涼しげなソーダパフェのショップなど、冷たいドリンクやお菓子を楽しめる店が多数出店しました。

 大アリーナへ行くと吹奏楽部が演奏中で、客席はほぼ満席です。この大アリーナのステージは、机を並べてステージを大きくする、以前のスタイルに戻っていました。軽音楽部や有志のバンド、ダンスチームもダイナミックなステージパフォーマンスで来場者を盛り上げます。


桑田佳祐さんが卒業生ということで、吹奏楽部がサザンオールスターズのおなじみの曲を力強く演奏し、盛り上がりは最高潮に

 午前中降り続いていた雨も、お昼過ぎ、応援団の演舞が始まる前に上がりました。お待ちかねの応援団が広々としたグラウンドに登場。団長があいさつし、演舞が始まりました。応援されたい人を募るコーナーでは、団長が「応援してほしい人!」と呼びかけると、「はい、はい、はーい」とたくさんの来場者がアピール。団長が選んだ1人目は小学生の男の子でした。応援団全員で「フレー、フレー、○○くん」と、その男の子のためだけに応援。男の子にとって、きっと忘れられない思い出になったことでしょう。

 4年ぶりに入場制限なしで開催され、あらゆる面で日常を取り戻した今年の学園祭。この祭典に懸ける生徒たちの思いが伝わってきました。学園祭を復活させた生徒たちの企画・行動力は、同校の新しい伝統として、今後、後輩に受け継がれていくことでしょう。

《学校のプロフィール》

鎌倉学園中学校・高等学校

所在地 〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内110

交 通 JR横須賀線「北鎌倉」駅より徒歩13分。または江ノ電バス「建長寺(鎌倉学園前)」下車

電 話 0467-22-0994

H P www.kamagaku.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

Information

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
www.kamagaku.ac.jp/examinee/index.html

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