受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「23年4月号」より転載/23年3月公開)

暁星中学校・
高等学校

キリスト教教育、フランス語教育など
暁星ならではの学びを通して、人間的に成長

 暁星中学校・高等学校は、1888年に設立されたカトリック系の男子校です。キリスト教の理念に基づく全人教育を行い、他者を愛し、尊重できる人間を育成しています。また、中1からフランス語が必修科目となっており、多言語・多文化主義の教育にも力を入れています。今回は、中2への進級を目前に控えた、サピックス出身の中1生2人に、学校生活の様子を伺いました。

和気あいあいとした自由な校風
祈りの時間は自分を見つめ直す機会に

 インタビューに答えてくれたのは、中1の久保原尚也くんと、同じく中1の川北恵大くんです。まず、暁星中学校・高等学校を選んだ理由を質問すると、久保原くんは「暁星の大きな特徴である、キリスト教教育がきっかけとなった」と言います。「ぼくは暁星に入学するまで、キリスト教に触れたことはまったくありませんでした。しかし、学校について調べているうちに、聖書を読んだり、ミサに参加したりするなかで、学力だけでなく人間的にも成長できるのではないかと思い、志望することを決めました」

 一方の川北くんは、大のサッカー好き。同校のサッカー部は、全国大会にも出場した経験のある強豪のため、「絶対に暁星のサッカー部に入るぞ」と早いうちから決めていたそうです。また、校風が自由で、伸び伸びと学べる点も理由の一つとなりました。

左から、久保原 尚也くんと、川北 恵大くん

 志望理由の異なる2人ですが、どちらも入学すると、すぐに学校になじむことができました。「クラスの雰囲気がとても和気あいあいとしており、同級生と話しているうちに、いつの間にか仲良くなっていました」と久保原くん。川北くんもこれに同意しながら、「9月ごろには、学校にすっかり慣れていました。サッカー部の友だちもできて、楽しく過ごしています」とつけ加えます。

 暁星ならではのキリスト教教育に、戸惑いはなかったのでしょうか。久保原くんは、キリスト教教育が志望理由の一つだったこともあり、興味深く受け止めているそうです。「宗教の授業は週に1時間。その月の最初の金曜日や、入学式などにはミサも行われます。特に違和感はなく、同級生もみんな真面目に参加していますね」。川北くんは、最初は戸惑う部分もあったそうですが、やがて「学校生活の一部」として感じられるようになったと言います。「キリスト教の学びや、ミサなどでの祈りの時間が、『自分とは何か』ということをあらためて振り返る機会となっています」。同校において、キリスト教教育が生徒たちに受け入れられ、大切にされている理由の一端が伝わってきました。

 中1の秋には、宗教科の校外学習の一環として、関東の牧場を訪れました。2人は、たくさんの動物との触れ合いや調理体験を通して、生き物の命の大切さを学ぶことができたそうです。

フランス語は簡単な文章が書けるように
解けたときの達成感は英語以上⁉

2022年8月には、新しい聖堂が建てられました

 好きな授業についても質問しました。歴史の授業がお気に入りの久保原くんは、「歴史の授業では、サピックスのように深く掘り下げた知識も教えてもらえます。ぼくは室町時代に興味を持っており、なかでも第3代将軍である足利義満の派手な人生は、自分とは正反対なので調べていておもしろいです」と言います。一方の川北くんは、数学の授業が好きとのこと。「特に代数の問題は、こつこつ解いていくのが楽しいです。難しいといわれる文章題も、やりがいがありますね」と話します。

 暁星の大きな特徴といえば、中1からフランス語が必修科目であることです。久保原くんは「フランス語の知識は、入学時はまったくありませんでしたが、学んでいておもしろいです。基本的な知識がだんだんと身についてきて、簡単な文章も書けるようになりました」と、学習の成果を述べます。川北くんも、学習の状態は「今のところは順調です」とのこと。なじみのない言語だからか、問題を解けたときの達成感は、英語よりフランス語のほうが大きいそうです。

 文武両道の学校ということもあり、2人ともクラブ活動にも励んでいます。久保原くんは、ソフトテニス部と室内楽研究部に、川北くんはサッカー部に所属しています。

 久保原くんがソフトテニス部に入ったのは、ご両親から「勉強だけでなく、運動する機会もつくったほうがいいよ」というアドバイスを受けたから。週3回の活動で汗を流しています。


暁星の音楽部は、ビッグバンド形式のジャズを演奏しています

 室内楽研究部は、5年生までピアノを習っていたことを友だちに話したところ、入部を勧められたのがきっかけです。暁星では、室内楽研究部がクラシック中心、音楽部がジャズ中心と、ジャンルごとにクラブが分かれています。久保原くんは、4月の新入生歓迎コンサートで友だちと一緒にピアノの連弾を披露する予定で、週2回の活動日に一生懸命に練習しています。2つのクラブ活動と勉強との両立は大変だと言いますが、「成績にも響いてしまうので、勉強時間を減らさないように生活習慣を改善したいです。自分で選んだクラブなので、両立できるようにがんばります」と、今後の課題を語りました。

 川北くんは、暁星に入学する前から「サッカー部に入る」と決めていただけに、練習にも熱が入ります。「きついと思うこともありますが、部員のみんなと励まし合いながらがんばっています。雰囲気は和やかな感じで、居心地が良いですね」とのことです。そして、「いつか全国大会にも出てみたい」と、これからの目標も語ってくれました。

 将来の夢について聞いたところ、久保原くんは、「20代で司法試験に合格し、弁護士になること」と教えてくれました。お父さんが弁護士をしており、その仕事ぶりを見ているうちに、あこがれるようになったそうです。「そのためにも、今から日本国憲法の暗記を少しずつ進めています」と、すでに将来の夢に向けた勉強も始めています。

 川北くんは「まだはっきりとは決まっていない」としながらも、「折り紙作家にあこがれている」と言います。「折り紙の奥深さに心がひかれます。家でもよく折っており、最近は有名な折り紙作家の作品を自分でも作ってみました。2022年度のエトワール祭(文化祭)でも、クラスの出し物の景品としてぼくの作品を提供しましたが、来場した方にもらっていただき、うれしかったですね」と振り返ります。

 最後に、2人は中学受験をめざす後輩にメッセージを送ってくれました。

 「中学校は、勉強・クラブ活動・趣味などに、より専念できる場所です。あこがれの学校をめざして、一生懸命に勉強してください。学習面では、基礎的な学習を毎日こつこつと続けることが大切です」(久保原くん)

 「『基礎力トレーニング』や『漢字の要』など、基本を毎日学び、知識を積み重ねてください。地道な努力が、いつか大きな力になります」(川北くん)

《学校のプロフィール》

暁星中学校・高等学校

所在地
 〒102-8133 東京都千代田区富士見1-2-5
 東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下」駅より徒歩5分
JR、東京メトロ有楽町線・南北線、都営大江戸線「飯田橋」駅より徒歩8分
TEL 03-3262-3291
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《各種行事日程のお知らせ》

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https://www.gyosei-h.ed.jp/junior/guidance/

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