受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「23年7月号」より転載/23年6月公開)

江戸川学園取手中・
高等学校

心豊かなリーダーを育成
生徒の夢を大切にし、一緒にかなえていく

 創立以来、「心豊かなリーダーの育成」を教育理念として、社会に貢献できる人材の育成に取り組んできた江戸川学園取手中・高等学校。30年の伝統を誇る高等部医科コースは、確かな進学実績を残し、多くの医療人を輩出し続けています。重視する教育方針や学校生活を送る生徒たちの様子などについて、学校長の山本宏之先生と入試担当の遠藤実由喜先生に伺いました。

「医科コース」の伝統の力が
確かな進学実績を重ねる

校長 山本 宏之先生

 心豊かなリーダーの育成をめざす同校は、「心力・学力・体力」のバランスを重視した三位一体の教育を実践しています。多様な教育プログラムを展開する中等部では、2016年から3コース制がスタートしました。「東大ジュニアコース」では、東京大学合格をめざすクラスメートたちが互いに刺激を与え合っています。「難関大ジュニアコース」は、一般選抜入試だけでなく、学校推薦型選抜や総合型選抜など多様な入試形態・進路に対応し、個々の能力を伸ばす柔軟な教育を実践しています。そして、「医科ジュニアコース」の生徒は、高等部の「医科コース」に進み、その先の医学部進学をめざします。現役医師や医学部教授の出張講義、病院見学などの専門的な教育により、医師をめざすうえで必要な知識と心構えを身につけていきます。

 高等部に「医科コース」が設置されたのは1993年。以来、着実に医学部進学実績を残し、多くの卒業生が医療人として社会に貢献しています。その要因について学校長の山本宏之先生は、「30年にわたって築き上げてきた伝統の力は大きいと思います。全国の医学部数は防衛医科大学校を含めて82大学ありますが、その82大学の入試傾向を熟知した医科コースの教員が、生徒一人ひとりに寄り添って指導しています」と話します。

 医師から直接話を聞く「医科講話」は、生徒が医療現場を知る貴重な機会となります。「講師をお願いしている取手医師会病院の副院長先生がいつも強調するのは、『チーム医療』の大切さです。“チームでいちばん偉いのが医師”という考え方ではなく、チームをまとめ上げて患者さんに向き合うのが医師の仕事だと話しています。本校の校訓『誠実・謙虚・努力』や、教育理念にある『心豊かなリーダー』にもつながります」と山本先生。あらゆる医療現場のチームのなかで、同校の卒業生たちがそれぞれの役割を担い、活躍しています。

“生徒が楽しんでいること”が
何よりも学校の外へ伝わる

医師の貴重な話を聞く「医科講話」。医療現場での仕事への興味が深まり、学習意欲が高まります

 「心豊かなリーダー」に求められる主体性について、山本先生は次のように説明します。「主体性とわがままは違うので、リーダーには規律が求められます。教育方針を『規律ある進学校』と定めているのはそのためです。この規律とは、ルールで縛ることではなく、他者への思いやりだと考えています。誰かが規律を破れば、それによって傷つく仲間がいるということを考えてほしいのです。利他の心を育み、人のためにどう役立てるかを考えて努力することは、よりよい社会をつくるとともに、みずからの人生を豊かなものにしていきます」

 主体性を育む教育について山本先生は、「失敗してもいいので伸び伸びとチャレンジさせることを重視しています。行事への取り組みも、目が輝いているかどうかが大切です。その目の輝きは学校全体に波及し、“学校のために”と積極的に取り組む姿勢は後輩たちに受け継がれていきます。そして“生徒が楽しんでいること”は、何よりも学校の外へ伝わります」と話します。文化祭を見学した受験生からは「学校の熱気を感じて楽しかった」という声が多く届くとのこと。入試担当の遠藤実由喜先生も、「受験生は江戸取生と直接触れ合える文化祭であこがれを抱き、“楽しそう”“自分もここで学びたい”と、学校を好きになってくれます」とつけ加えます。

小学校からの内部進学生と
中学校からの入学生とが切磋琢磨

2020年に完成した「Sakura Arena」は冷暖房完備。バスケットボールや剣道など、クラブ活動の試合会場としても利用されています

 各界の第一線で活躍している著名人の講演会や音楽家の演奏、古典芸能鑑賞など、最高水準の学問や文化に触れることができる「イベント教育」も、同校の魅力的なプログラムです。生徒たちは、さまざまな本物の世界に触れることで、興味・関心の幅を広げ、豊かな情操を育んでいきます。オーディトリアムという校内の大ホールがあるからこそ実現できるプログラムです。施設面としては2020年に体育館・武道場・卓球場・ダンス室などがそろう「Sakura Arena」が完成。冷暖房完備の快適なスポーツ施設として利用されています。

 新型コロナウイルスの影響で中断していた海外研修などは徐々に再開されています。今年3月にはアメリカ・アカデミック・ツアーが実施されました。ニューヨークで行われる企業訪問や大学での研修・講話など、現地でしかできない体験は、将来国際人として飛躍するためのきっかけとなります。夏休みにはオーストラリア短期留学とSDGsスタディツアー(ベトナム・カンボジア)が計画されています。30年以上前から実施されてきたカナダへの修学旅行も2024年度から再開予定とのことです(※行き先については、社会情勢等に鑑みて変更する場合があります)。山本先生は、「校歌に“世界を築く礎”という歌詞があります。江戸取生には世界の人々と協働し、活躍してほしい」と期待を抱きます。

今年3月にアメリカ・アカデミック・ツアーが再開されました

 また、2022年度には、併設の江戸川学園取手小学校からの内部進学生が初めて高校に進みました。遠藤先生は、「小学校からの内部進学生と、中学校からの入学生が切磋琢磨し、お互いを認め合って成長しています」と強調します。

 最後に山本先生は、受験生にこうメッセージを送りました。

 「わたしも50年前、私立中学受験生でした。皆さんに伝えたいのは、遊びたい盛りに一生懸命がんばって勉強したことは大きな財産となり、将来必ず役立つということです。どの中学校を受けるとしても、まずは中学受験に取り組んだことに誇りを持ってください。本校には“生徒の夢は学校の目標”というスローガンがあります。一人ひとりの小さな夢を大切にし、皆さんと一緒にかなえていきたいと思います」

《学校のプロフィール》

江戸川学園取手中・高等学校

所在地
 〒302-0025 茨城県取手市西1-37-1
 JR常磐線・東京メトロ千代田線「取手」駅より徒歩25分・バス約10分、関東鉄道常総線「寺原」駅より徒歩20分、つくばエクスプレス「守谷」駅よりバス約20分 TEL 0297-74-8771
H P www.e-t.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
http://www.e-t.ed.jp/admission/index.html

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