受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「23年7月号」より転載/23年6月公開)

目黒日本大学中学校
高等学校

アウトプット重視の英語教育に注力
多彩な探究学習で生徒の自主性を伸ばす

 1903年の創立以来、芸能やスポーツの分野に多くの逸材を輩出してきた日出中学校高等学校が2017年末に日本大学と準付属校契約を締結し、2019年度より「目黒日本大学中学校高等学校」に改称しました。建学の精神に「質実剛健・優美高雅」を掲げ、問題解決力・進路実現力・相互理解力を養う中高一貫教育を実践しています。同校の教育の特長について、英語科の東隆道先生と広報部主任の天野正貴先生に伺いました。

準付属校の強みを生かし
中1から大学の学びに触れる

左から 英語科 中高一貫1学年担任 東 隆道先生、数学科 広報部主任 天野 正貴先生

 日本大学の準付属校として新たなスタートを切って以来、人気が高まりつつある同校は、2023年度入試で4教科型、2教科型、算数・理科合教科型、適性検査型の試験を実施し、多くの受験生を集めました。在校生の様子や学校の雰囲気について、広報部主任の天野正貴先生は次のように話します。「本校のさまざまな入試のスタイルには、多様性を受け入れる校風が表れています。みんな個性豊かで、活発な生徒もおとなしい生徒も互いに尊重し合いながら、伸び伸びと学校生活を送っています。特にこの1~2年は、何事にも自主的に取り組む生徒が増えました。もちろん、現在高2の準付属校化第1期生やその下の学年の生徒も充実した学校生活を経て、クラブ活動や行事を主体的に運営する力を培っています。こうした先輩の姿を目の当たりにし、後輩が影響を受けるという好循環が生まれています」。在校生のなかには、兄弟・姉妹がそろって在籍しているケースも多く、学校に対する保護者の満足度が高いこともうかがえます。また、同校への注目度が高くなるに従い、受験生のレベルも上がっているそうです。

 日本大学の準付属校ならではのメリットとして挙げられるのは、日本大学への被推薦権を保持したまま、国公立大学との併願も可能な制度があることです。中高一貫生は基本的に外部受験が推奨されている一方、中高大連携教育が充実している点も強みです。通常、高校で行われることが多い大学の「学部訪問」も、キャリア教育の一環として中1から実施されています。生物資源科学部を訪問するほか、松戸歯学部では、器具を使って実際に歯の模型を削る体験もしました。天野先生は「16学部87学科を有する日本最大規模の総合大学の利点を存分に生かし、大学での学びがどのようなものなのかを知る機会を設けています。このほか、日本大学から教授や准教授、専任教師などを招いて、高1・2対象の学部説明会も開催しています」と話しました。

中3全員でオーストラリア短期留学へ
英語力を高め、積極性を養う

 英語教育にも力を注いでいます。中学校に入学した時点では、通っていた小学校の授業内容や学習歴によって生徒の英語力に差があるため、まずは全員で音声学習法「フォニックス」に取り組み、発音と文字の関係性を学ぶところからスタートします。音を通じて英語に親しんだうえで、「NEW TREASURE」と副教材を使用し、4技能を総合的に高めていきます。また、アウトプットを重視し、中1の5月から始まるオンライン英会話に加え、日本人教員とネイティブ教員によるチームティーチングの授業を導入し、生きた英語表現を体感します。オンライン英会話では、最初は講師1人につき生徒3人、2学期は講師1人につき生徒2人、3学期以降は1対1というように、段階を踏んで慣らしていきます。英語科の東隆道先生は、「5人のネイティブ教員が在籍していますが、1人の教員がクラス全体を指導するスタイルでは、生徒一人ひとりが発話できる時間に限りがあります。そこで中1の早い段階から個別でスピーキングやリスニングに取り組める場を設けました」と説明します。

中3の日本大学松戸歯学部訪問での虫歯治療体験の様子。生徒たちはキャンパスや病院を見学し、模擬講義にも参加しました

 3年間の英語学習の集大成として、中3では全員が1か月におよぶオーストラリア短期留学に参加します。現地では各家庭に1人ずつホームステイして、午前中は現地の学校で語学プログラムを受講、午後は同年代のバディと共に授業に出席します。帰国後には後輩に向けて研修の内容を発表する機会もあります。「引っ込み思案だった生徒が研修後に変わり、積極性を発揮する姿も見られます。英語力だけでなく、自主性の面でも生徒の成長を実感できるのがうれしいですね」と、東先生は力強く語ります。このほか、高1・2の希望者を対象に、3か月、6か月、1年から選べるニュージーランド語学留学も実施しています。「1年間滞在した場合も、現地の学校で取得した単位が認められるため、帰国後は元の学年に戻れます」とのことです。

 毎夏行われる「英国ケンブリッジ大学語学研修」では、日本大学の付属高校から選抜された男女各1名が、ケンブリッジ大学ペンブルック・カレッジの施設で共同生活し、同カレッジプログラムを受講します。新型コロナの影響で3年間停止されていましたが、今年度は実施される予定です。

発表の機会が豊富な探究学習
総合型選抜への対応力も強化

中3でのオーストラリア短期留学では、生きた英語に触れながらホストファミリーやバディとのかかわり方を学びます

 中学からの入学生は6年間を通じて、中高一貫生のみのクラスで学びます。どの教科も6年間の学習内容を高2で終え、高3では応用的な学びや大学受験のための対策に時間を充てています。また、国公立大学や難関私立大学の受験に対応できる学力を養うため、国語・数学・英語の3教科を中心に、生徒を選抜しての「特別課外授業」や、希望制の「放課後学習会」も実施しています。天野先生は、「教え過ぎないことも大切にしています。たとえば数学では、どんな方法を用いてもいいが、『教員にだけは聞かないこと』と伝え、問題を解かせることがあります。すると、生徒同士で黒板を使って説明し合うなど、試行錯誤を繰り返しながら解を導きます。このように、一見遠回りのような過程が深い学びをもたらし、成績の伸びにつながります」と話します。

 さらに生徒たちの学習意欲を刺激し、主体性を伸ばしているのが探究学習です。中1・2は「日本の伝統文化」「日本の環境」、中3・高1は「SDGs」といったテーマを学年ごとに掲げ、「知識をどう使うか」に重点を置いています。このほか、生徒が保護者と教員に対して、これまでの成績や生活態度を振り返りながら、今後の目標についてプレゼンテーションする「三者面談」やスピーチコンテストなど、発表の機会も豊富です。毎年の小学生対象の学校説明会には、在校生が登壇し、学校生活について語るなど、日々の学びを通じて培われたプレゼンテーションスキルを受験生にアピールする機会も設けています。

 最後に、先生方から受験生とその保護者に対して、次のようなメッセージを頂きました。

 「お子さんは受験勉強に一生懸命取り組んでいるはずです。保護者の方は、そんなお子さんを大いにほめてください。『合格』は学習のゴールではありません。お子さんが自信を持ち、楽しみながら努力を積み重ねていけるようにサポートしてあげてください」(東先生)

 「ご家族で学校説明会や文化祭に足を運び、生き生きとした在校生の姿を実際に確かめてください。お子さんと一緒に本校の教育をよく理解していただいたうえで、目黒日大を第一志望校として入試にチャレンジしてほしいと願っています」(天野先生)

《学校のプロフィール》

目黒日本大学中学校高等学校

所在地
 〒153-0063 東京都目黒区目黒1-6-15
 JR山手線、東京メトロ南北線、都営三田線、東急目黒線「目黒」駅より徒歩5分 TEL 03-3492-3388
H P www.meguro-nichidai.ed.jp/junior/ 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.meguro-nichidai.ed.jp/junior/exam/event/

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