受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「23年10月号」より転載/23年9月公開)

大宮開成
中学・高等学校

英語の平常授業から学校行事、宿泊研修まで
成長段階に合わせたきめ細かい教育を実践

 過去10年間で国公立大学や難関私立大学の合格実績を飛躍的に伸ばしている大宮開成中学・高等学校。今春も東京大学を含む難関国公立大学や早慶上理などの難関私立大学に多くの合格者を輩出しました。このような高い合格実績を築いている理由の一つが、英語教育にあります。その特徴や授業内容などについて、英語科の安達玲子先生に伺いました。

英語科以外の教員も協力しながら
勉強法や学習計画についてアドバイス

英語科
安達 玲子先生

 大宮開成中学・高等学校では生徒の成長・発達に応じて、段階的なカリキュラムを展開しています。目標としているのは、中1・2は基礎学力の徹底、中3・高1は進路を意識した発展的な学習、高2・3は現役合格力の完成です。特に、中1・2では基礎・基本を大切にし、担任や副担任など他教科の教員も協力しながら、一丸となって生徒全体を英語力向上へと導いています。たとえば、英語の授業以外でも週1回、担任主導でホームルームの時間に英単語テストを実施。担任は毎回クラス全員のテストの結果をチェックします。成績不振の生徒には個別に「家庭学習で英語に費やす時間」や「どんな勉強をしているのか」といった点を確認し、学習姿勢などについてアドバイスします。英語科の安達玲子先生は、「生徒も複数の教員から目を向けられると、気を抜けないようです。また、クラス単位の団結力も向上し、『みんなでがんばろう』という一体感も生まれます。教員同士の縦と横のつながりも強く、担当教科以外の教員も一緒に生徒をサポートする学習法は、大宮開成の大きな特徴の一つです」と述べました。また、生徒が毎日の宿題や自学自習の記録などを書き込む同校独自の「生活記録ノート」もあり、定期的に担任に提出させています。

 さらに、中1・2は週5コマ、中3は週6コマの平常授業に加え、英会話や演習授業を設定し、公立中学校の約2倍の学習量を確保。クラスは中学入試時の成績に応じてTクラスとSクラスに分かれ、Tクラスでは発展的な内容を扱う「アドバンスト演習」を、Sクラスでは基礎を徹底する「スタンダード演習」を行うなど、生徒の学力に応じた指導をしています。

 4技能(読む・書く・聞く・話す)をバランスよく伸ばすことを重視しているのも特色です。中3からは週6コマの平常授業のうち2コマを英文法の授業として独立させ文法の基礎力を徹底的に身につけます。また、リスニングや音声のディクテーション(書き取り)の練習は、1人1台所有する学習用端末の専用アプリを活用。自宅でスピーキングした音声を宿題として提出させるなどして、英語力を多角的に磨きます。なかでも同校は、アウトプットする機会を重視しており、SDGs(持続可能な開発目標)に基づくディスカッションやプレゼンテーションを取り入れた「ネイティブ教員の英会話の授業」(中1・中3・高1)、外国人講師と1対1で行う「オンライン英会話」(中2)なども導入しています。安達先生は「英会話を教えるネイティブ教員は12名。出身は欧米から東南アジアまでさまざまなので、英語圏の一般的な教養のほか、教員の出身地の文化などに触れられる機会も多くあります」と述べました。

英語で自分の意見を発信する機会を
学校行事や宿泊研修に取り入れる

 授業以外のプログラムも充実しています。たとえば、中1・2ではレシテーションコンテスト、中3・高1ではスピーチコンテストを設けるなど、成長段階を意識しながら「英語で発信する」ことを念頭に置いた学校行事を実施。レシテーションコンテストでは、社会問題をテーマにするなど、学年が上がるにしたがい、難度を上げています。スピーチコンテストでは、テーマを元に自分で原稿の内容を考え、英語教員のアドバイスやネイティブ教員の添削を受けながら発表に臨みます。英語が流暢で、かつ内容も優れている生徒が選ばれる最優秀賞や優秀賞のほか、特別賞という枠も設けられています。「これは英語が苦手でも、その生徒のがんばりや情熱が強く伝わってきたときに授与する賞です。このように、英語が得意ではない生徒にも心を配り、やる気を引き出すように心がけています」と安達先生は話しました。

 英語の宿泊行事も用意されています。中3では国内の施設で2泊3日の間、英語漬けの生活を送る「グローバルビレッジ」を実施。5〜6人の班に留学生1人を配置したグループワークを行うので、必ず全員にスピーチをする場ができます。また、留学生の出身地は欧米、アジア、南米など多岐にわたるため、夜は民族衣装のファッションショーなど異文化交流のイベントを開催し、生徒のモチベーションアップを図っています。高1では全員参加の11日間のオーストラリア語学研修を実施します。全員がホームステイを経験し、現地校では温暖化やゴミ処理などの環境問題に触れ、国際的な課題への意識や関心も高めています。

少人数のグループ制で行う「グローバルビレッジ」では、どの生徒も必ず話す機会があります 中1・2で行う「レシテーションコンテスト」では英語力だけでなく、身振り手振りで表現する力も身につきます 中1・2の生活記録ノート「Pride」には、学習計画や実施状況を書きます。担任や保護者のコメント欄もあるため、3者の間で信頼感も築けます
校外のグローバルなイベントに自発的に参加し
世界の課題について興味を持つ生徒が増加

 同校では、英検®をはじめとする英語資格の取得にも力を入れています。英検®は中3卒業時までに準2級、高1以降は2級以上の取得をめざします。また、中高一貫部では英語教育を推進するために、英語科教員が集まって「英語4技能推進プロジェクト」を結成。活動の一環として、英検®受検を促すためのチームもつくり、おすすめの英検®の参考書や勉強法を紹介するほか、目標級を取得した上級生からのメッセージをまとめるなどして、生徒に発信しています。また、「TEAP」「GTEC®」などの受検も推奨しているほか、大学受験において各大学に必要な英語資格の詳細をデータ化するなど、進路選択に役立つ情報も提供しています。安達先生は「こうした活動による後押しもあり、英検®取得率は着実にアップしています。昨年度の中1は年度末に93.6%が4級を、中3は卒業時点で86.7%の生徒が準2級を取得しました。どの学年も年々取得率が上がっています」と説明しました。

 また、中高6年間で身につけてほしい力として、「英語で自分の考えを発信できるようになること」と話します。近年では学外で国連ユース大使として活動したり、将来的に国際的機関への就職を希望して動き出したりするなど、自発的にグローバルレベルの活動を行う生徒が増えているとのこと。こうした姿を見たときに安達先生は「生徒の成長を感じる」と言います。

 最後に、受験生へのメッセージをいただきました。「本校は英語力を向上させることに大きな自信を持っています。しかし、最終的な目的は英語力の獲得だけではなく、英語を通してさまざまなことに興味を持ち、世界に向けて発信することです。こうした考えに共感できる方は、ぜひ本校を受験してみてください」

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

《学校のプロフィール》

大宮開成中学・高等学校

所在地
 〒330-8567 埼玉県さいたま市大宮区堀の内町1-615
 JR各線・東武野田線「大宮」駅東口より徒歩25分、
または「大宮」駅よりバス7分「天沼町(大宮開成中学・高等学校前)」下車
TEL 048-641-7161
H P www.omiyakaisei.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.omiyakaisei.jp/jshs/entrance/jshsevent/

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