専修大学の付属校である一方、卒業生の9割が他大学に進む進学校として、実績を伸ばしている専修大学松戸中学校・高等学校。先進的かつ実践的な英語教育・国際教育を行っており、「使える英語」を習得するための独自のプログラムが充実しています。2023年6月には、中3生全員が参加するアメリカ・ネブラスカ修学旅行も再開しました。同校の英語教育について、教頭代理の北村洋先生と入試広報係主任の内藤絢子先生に伺いました。
英会話の授業は専用校舎で実施
ネイティブ教員とかかわる機会も多い
教頭代理
北村 洋先生
入試広報係主任
内藤 絢子先生
専修大学松戸中学校・高等学校は、英語教育・国際教育に力を入れています。すべての土台となるのが日々の英語の授業で、中学校では週7コマを確保。そのうち5コマでは、中高一貫校向けのテキスト『NEW TREASURE』を使用して、「読む」「書く」力を基礎から身につけます。
残り2コマの英会話の授業では、ネイティブ教員中心のチーム・ティーチングで「聞く」「話す」力を育てます。授業は英語教育専用校舎「アンビションホール(高志館)」にて、1クラスを二つに分けた少人数で行われます。その狙いについて、教頭代理の北村洋先生は「校舎を移動することで自然と気持ちが切り替わります。オールイングリッシュでの授業に加え、発話をする機会も多いため、英語を聞く・話す練習がしっかりとできます」と説明します。
中学に4名在籍するネイティブ教員の職員室もアンビションホールにあります。ふだんから気軽に質問や会話ができるのはもちろん、ネイティブ教員は授業以外の学校行事にも参加するため、体育大会やフィールドワークなど、さまざまな場面で生の英語に触れることができます。
グループでオリジナルスキットを作って発表する「イングリッシュデイ」に加えて、新型コロナの影響で中止となっていた、昼休みにネイティブ教員と会話やゲームを楽しむ「ランチタイムアクティビティ」も2学期から再開しました。中2の秋からは、アメリカ・ネブラスカ州にある公立中学校「スコットミドルスクール」の生徒と文通する「ペンパルプログラム」を実施。英語で書いた手紙をやりとりするなかで、アメリカを身近に感じ、互いの文化を知ることのできる貴重な機会となっています。
全員参加の中3「ネブラスカ修学旅行」
広い視野や目標を持つきっかけに
中学校での英語教育の集大成が、中3生全員が参加するアメリカ・ネブラスカへの修学旅行です。こちらも新型コロナの影響で中止となっていましたが、2023年6月、4年ぶりに実施されました。本行事の狙いは、英語を学ぶだけでなく、異文化理解を深めて国際的視野を広げること。北村先生は「英語をツールとして使いながら、文化など幅広い分野の学びを深めるのが最大の目的です。英語がうまく伝わらないなど、失敗をしながらたくさんのチャレンジをすることで、生徒たちは大きく成長します」と話します。
入試広報係主任の内藤絢子先生は、「英会話の授業では道を聞く、体調を伝える、レストランで注文するといった表現を中1から学んでいきます。ネブラスカ修学旅行は3年間の学習の成果を試す場です」と説明します。自然豊かで治安が良く、人々が温かく迎えてくれるネブラスカの環境も、生徒たちの成長にひと役買っています。
修学旅行では、午前中はサマースクールに参加。芸術・料理・生物解剖実験・野外活動など、さまざまなテーマの体験授業のなかから希望する講座を選び、現地の生徒と一緒に受講します。「『英語を』学ぶのではなく、『英語で』学ぶ授業です。最初は緊張している生徒も、同世代の外国人生徒と活動するうちに、あっという間になじんでしまいます」と内藤先生は言います。
生物解剖クラスでは、現地の生徒と一緒にいろいろな生き物のしくみについて学びます
午後からは、地元で人気の動物園に行ったり、博物館でアメリカの歴史や文化を学んだりといった体験活動に出掛けます。このとき、6人ほどのグループに現地の大学生もメンターとして同行し、案内役を務めます。英語で気さくに話しかけてくれる大学生との交流も、修学旅行の大切な思い出となります。
プログラムはすべて専大松戸オリジナルとあって、生徒の満足度は非常に高いものとなっています。帰国後も、自分の英語が伝わってうれしかった、うまく伝えられなくて悔しかったという思いを英語学習のモチベーションにつなげる生徒が数多くいます。また、留学したいという夢をふくらませて、計画を立て始める生徒も少なくありません。「わずか10日間ですが、修学旅行での経験は自分の進路や将来を考えるきっかけとなっています。この行事が希望制ではなく、全員参加である意味はそこにあるのです」と北村先生は強調しました。
オンライン英会話をきっかけに
世界の問題について興味を持った生徒も
ネブラスカ修学旅行の直後には、日本の大学(院)で学ぶ外国人留学生を招いて交流する「ISAプログラム」が行われます。修学旅行で伸ばした英語力を用いて、2日間、留学生と将来の夢などを語り合います。
中3の9月からは、家庭学習の一環として、フィリピンやセネガルなど、100か国以上の国の講師とのオンライン英会話がスタート。1回25分、週7日の受講が可能で、継続して英語の力を伸ばすことができます。「なかには、フィリピン在住の講師との会話をきっかけに、SDGsの貧困について研究した生徒もいます。その成果を評価され、大学合格も果たしました」と内藤先生。こうした英語教育によって、中学校卒業時には85%の生徒が英検®準2級以上を取得しています。
高校でも、アメリカ、ニュージーランド、マレーシア、ベトナムでの海外研修など、海外で学ぶ機会を用意しています。
これらの成果もあり、大学進学実績は好調です。今春は東京大学をはじめとした国公立大学に42名が現役で合格しました。卒業生による講演会や、大学での体験授業を実施するなど、生徒一人ひとりが明確な目標設定ができるように支援しています。
最後に、先生方から受験生に以下のようなメッセージが送られました。
「専大松戸は文武両道の学校です。勉強だけではなく部活動も活発で、行事では全員が活躍できる場があります。いろいろなことに挑戦し、楽しみながら成長できる環境を用意しています」(北村先生)
「本校の生徒には、自分で自分の可能性を限定せず、何でも吸収してもらいたいと考えています。勉強、部活動、行事など、みんながそれぞれの目標に向けてがんばっている学校です。ぜひ、専大松戸で充実した毎日を過ごしてほしいと思います」(内藤先生)
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
ネブラスカ大学でメンターさんとの記念写真。メンターさんと過ごす時間はかけがえのない貴重なものとなります
昼休みにネイティブの先生とフリートークやゲームをして英会話を楽しみます