受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

Spotlight

(「23年9月号」より転載/23年8月公開)

カリタス女子
中学高等学校

「みんなが使いやすいものを作りたい」
生徒の思いを形にしたカリタス手帳

 カリタス女子中学高等学校では、生徒が「自分たちで学校をつくっていく」という思いを持ち、みずから考えて行動しています。昨年、カリタス手帳の改訂作業に取り組んだのは、高2の村松実咲さん、秦安珠さん、松本ひかりさん、八木橋美悠さん。今回は村松さん、八木橋さん、学習進路指導部主任の法土明子先生の3人にお話を伺いました。

生徒へのアンケートで出た要望も反映
使いやすいように細部まで工夫を施す

 村松さんは高1だった昨年の4月に校長室を訪れ、「カリタス手帳をもう少し使いやすいものに改訂したい」と訴えました。カリタス手帳とは、スケジュール管理に活用するために10年ほど前から生徒に配られているものです。昨年度、村松さんが独自にアンケートを行ったところ、改良点が多く挙がったため、「自分で変えよう」と行動に移しました。

村松さんと八木橋さんが使っているカリタス手帳。書き込みやすく、予定がひと目でわかるようになっています

 八木橋さんは村松さんに声を掛けられ、このプロジェクトに参加。ほかに秦さん、松本さんの2人を加えた4人のチームで動き出しました。9月に手帳の業者と初めて打ち合わせを行い、その後「どういう手帳が求められているのか」を何度も話し合いました。村松さんは「自分たちの意見を反映させるだけではなく、この手帳を使って、中1から高3までみんながきちんと計画を立てられるものにしようという目標を立てました」と振り返ります。

 10月から約2か月間は、手帳のページ構成を一つひとつ検討しました。八木橋さんは「特に週間スケジュールの部分は、全員の意見が割れたこともあり、なかなか決まりませんでした。4人がそれぞれ自分で手書きの枠を作り、それを試験的に1週間ほど使ってみることを繰り返しました」と、大変だった過程を語ります。

 最初に行った生徒へのアンケートで出ていた要望もできるかぎり反映させるように努め、試行錯誤の末に「自分たちで作った手帳」が完成。週間スケジュールでは、時間割の欄をなくしてTo Doリストを加え、1日ごとに下に振り返りの欄を、上にメモ欄を入れるなど、使いやすくするために細かい工夫が施されました。「教員は基本的には見守るのみで、すべて生徒が主体になって進めていました」と法土先生は話します。

手帳の活用が学習への意欲を引き出す
「自分が変える」ことの大切さも実感

手帳改訂プロジェクトチームの4人。左から、秦さん、松本さん、村松さん、八木橋さん  今年度、改訂したカリタス手帳が配られると、これまでよりも日常的に活用する生徒が格段に増えました。「学校説明会でも手帳の改訂について発表しました。小学生の保護者の方から『こんなに書きやすいものを自分たちで作ってすごいね』とほめてもらえたのがうれしかったです」と笑顔で話す八木橋さん。自分でもこの手帳を使ってみて、学習量が可視化できるようになったため、「もう少し勉強しなくては」と思うことが多くなり、夜の自習室を頻繁に利用するようになったそうです。

 村松さんはこのプロジェクトで得たものについて、次のように話します。「『変わればいいのにな』と他人事のように思うのではなく、実際に行動すれば変えられるんだと実感できました。『どうしたらみんなに喜んでもらえるものにできるか』を考え、結論を出していくプロセスは、将来のキャリアにもつながると思います」

 最後に法土先生は、受験生に次のメッセージを送ってくれました。「変えなければいけないところと、変えてはいけないところをいろいろと見極めることが求められる時代です。学習面において変えてはいけないのは、PDCAサイクルを回していく誠実な学びだと思います。本校はそれを大切にしていて、さらに良いものにできるよう、生徒自身が変えていくことのできる学校です。皆さんとカリタスで学べることを楽しみにしています」

《学校のプロフィール》

カリタス女子中学高等学校

所在地:〒214-0012 神奈川県川崎市多摩区中野島4-6-1
TEL:044-911-4656

Information

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.caritas.ed.jp/admission/event/

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