受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

Spotlight

(「23年11月号」より転載/23年10月公開)

東邦大学付属東邦
中学校・高等学校

伝統として積み重ねたリベラルアーツ教育
将来に必要な総合的な学びを身につける

 千葉県で屈指の進学校として知られる東邦大学付属東邦中学校・高等学校は、文系・理系を問わず、幅広い教養を身につけるリベラルアーツ教育を実践しています。生徒がさまざまな体験をしながら、将来どのように社会に貢献するのかを探していくという、同校が積み重ねてきた伝統的な教育について、広報部長の岡田美秀先生に伺いました。

6年間で将来の姿を見つける「自分探しの旅」
受験にとらわれず幅広い科目を履修

 「本校のリベラルアーツ教育は、いつの時代においても、社会が要請する人材を育成しようと、創設以来大切に引き継いできた本校の伝統です」と、岡田先生は言います。

留学生を学校に招いて実施した「Power in ME」プログラム

 その背景には、「専門性を培うためには、総合的な学びを身につける必要がある」という考えがあります。中学・高校の6年間は、幅広い学問に飛び込んでいき、自分の世界を広げ、そのなかから自分が「これだ」と思うものを見つける「自分探しの旅」ととらえているのです。

 6年間のカリキュラムを、岡田先生は次のように説明します。「大きな山を作るイメージで、学びが積み重ねられていきます。山の裾野が広くなるように、中学では特に、机の上だけで終始しない学びを多く取り入れています。五感をはたらかせて身につけた科学的視点を将来につなげられるようなプロセス重視のプログラムです」

 たとえば、国語では、読書をしたら専用のノートに感想を書く「読書マラソン」や、物語の舞台となった地を実際に訪れる「物語散歩」を行っています。授業とは別の独自の問題を毎日解いて提出する「数学トレーニングマラソン」は、20年以上にわたって実施。いずれも必修ではなく、生徒がそれぞれ興味を持ったものをさらに追求できるような土台をつくっていきます。

 特別なコース分けをせず、全員が幅広い科目を履修するカリキュラムも同校ならでは。例を挙げると、高校の理科では、文系の生徒でも基礎科目だけでなく、物理・化学・生物の専門科目まで学びます。岡田先生は「たとえ大学受験で使わない科目でも、自分の将来に必要なことにどこかでつながっているものです」と話します。

大学の講座を受講する「学問体験講座」
国内で活動できる国際交流プログラム

大学施設で行われた学問体験講座「症状で謎解き! 症候学入門」  生徒が興味を持ったことを生かして、どのように社会に貢献できるのかを考えるためのプログラムも充実しています。中学では毎年「職業講話」を行い、卒業生や保護者などからその職業の現状について話を聞きます。また、「学問体験講座」では、隣接する東邦大学のキャンパスで講座を受講。今年は患者の症状や徴候を手がかりに疾患や病態を探る「症候学入門」講座も実施されました。専門的な学びを体験し、それが社会にどう生かされているのかを知る貴重な機会です。

 学校外の人と接する学びの場としては、国際交流も挙げられます。今年は、姉妹提携校との文化交流とホームステイを活動の軸としたオーストラリア研修が復活。海外研修だけでなく、校内に日本で暮らす留学生を招いて3日間英語でグループワークを行う「Power in ME」プログラムも夏休みに実施されました。さまざまな人との交流を通じて、社会に触れるという実感を得ることもできます。

 岡田先生は「自分が興味や関心をひかれるものは大事にして、突き詰めてください。苦手なものも自分に必要ないと決めつけず、『どこかでつながっている』と考えてください。本校に入学したら、『おもしろそうだな』と感じるたくさんのことに挑戦して、一緒に高め合っていきましょう」と、受験生にメッセージを送りました。

《学校のプロフィール》

東邦大学付属東邦中学校・高等学校

所在地:〒275-8511 千葉県習志野市泉町2-1-37
TEL:047-472-8191

Information

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://www.tohojh.toho-u.ac.jp/exam/briefing/briefing_jh.html

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