受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

2026年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 灘中学校

「僕、灘に行きたい」

 叶わないとどこかで思っていた。/それでも、叶えたかった。/夢を見ていられる時間は/確かに幸せだった。/どこかで泣く日が来るかも、と、/わかっていた。/ただ、日々は輝いていた。/私一人では決してみられない夢だった。/私なら/怖くて諦めた夢だった。/あなたの前で泣くのが少しでも減るように/先に一人で泣いておこうと思う。/これでよかった。/この結果でよかったと思う人生にしよう。/この結果だったから、/それを元にその後はこうなったと/そう思える人生にしよう。/そんな人生を作ろう。/ママは/全力でこれで良かったと言うよ。/あなたがいたから、/この夢の中のような/時間を過ごせた。/一人で立ち向かっていった/あなたは強い。/私ができない選択をした/あなたは強い。/挑戦できた/あなたは強い。/私の自慢の子。/本当にここに連れてきてくれてありがとう。

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 これは、私が合格発表前日に発表後の自分の為に書いた文章です。おそらくダメだろうと思い、気持ちの整理の為に泣きながら書きました。息子の前で泣いてしまわないよう、一人で沢山泣きました。これまでの息子との日々を思い返して、結果ではなく過程に意味を見出しながら、何度も書き直しながら。翌日の自分の気持ちが落ち着くように書きました。

 好きな算数ばかりして、他の教科をやらない息子に何度注意しただろう。注意しても聞く耳を持たない息子に何度キレただろう。八つ当たりしてくる息子と何度ぶつかった事だろう。息子も私も何度泣いた事だろう。何度諦めようと話しただろう。もはや覚えていないけれど、ただただもがいて進んだ日々でした。

 それでも、いつも最後に息子は言いました。「僕、灘に行きたい」。思い返すと、六年生の一年間は壮絶でした。安定しない偏差値と不安感。このまま進んでいいのか、という先が見えないトンネルに迷い込んだような気持ちでした。息子は偏差値のブレが大きく、最後の冬まで20台~80台を取る程メンタルに左右されるタイプでした。

 サピックスの先生にも、「受験校の全落ちはないとは思うけれど、偏差値のブレが大きすぎてどこも安全校にならない。本人が乗れるかどうか運次第」と、言われていました。

 一般的に子供の成長は一次関数的ではなく、指数関数的な成長曲線を示すと言われています。親はただ、それを待つだけでよかったのかもしれません。ずっと心配で、ずっと不安でしたが、結果から見ると息子の成長は全ての模試が終わった一月に突然どっと来たのだろうと思います。蓋を開けてみれば、受験した、西大和・東大寺・灘・渋幕・開成、全てで合格をもらえました。

 この春、息子は灘に進学します。息子よ、あなたは強い。本当にここに連れてきてくれてありがとう。