受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

2026年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 サレジオ学院中学校

努力の姿に親が学んだ3年間

 息子は4年生の春休みに入室し、全体の真ん中のクラスからスタートしました。季節講習の時期と重なり、毎日新しい内容を学ぶ負担は大きく、家庭学習量の多さに親子で驚きながらの出発でした。算数と理科は、私がノートに問題番号を書き、息子が解く形で復習を進め、理解が曖昧な箇所はその都度立ち止まり、親子でテキストを読み返しました。試行錯誤の連続でしたが、4年生の成績は大きくは動きませんでした。

 新5年生の頃、学校行事や体調不良によるテスト欠席も重なり、偏差値は下降、クラスも下がりました。ここから家庭の伴走は一層密度を増しました。私は算数の先生にお電話でご相談し、何が問題なのか、真剣に分析することを始めました。また、家庭学習では、問題をコピーして1問ずつノートに貼り、図や式を大きくかけるように学習環境を整え、間違いノートを作成しました。夫も準備に積極的に加わり、家庭全体で受験を支える体制が整っていきました。

 その過程で、私たちの心を最も強く打ったのは、息子の姿勢でした。成績が落ちた時も、息子は一度も弱音を吐きませんでした。言い訳をすることも、周囲と比較して心を乱すこともなく、ただ静かに机に向かい続けました。「やるべきことをやる」という一点に集中し、努力を積み重ねていく姿は、誠実で真摯なものでした。親として励まし、支えているつもりでしたが、次第に私たちの心境は変わっていきました。黙々と努力を続ける息子の背中に、私たちの方が教えられ、励まされ、支えられていたのです。守る存在であると同時に、大げさなようですが、尊敬の対象にもなりました。このことがこの3年間で起きた、私たちにとって何より大きな心の変化でした。

 6年生になると学習量はさらに増え、夏期講習期には夫と毎晩、息子が寝た後にコピーや切り貼りを続けました。机もダイニング・テーブルも教材で埋まり、眠気をこらえながら準備をする日々でした。直前期には、これまでの努力が静かに実を結び始めたことを実感しました。本番数日前には、やるべき準備と行動をすべてやり切ったという実感から結果への過度な執着は自然と薄れ、ただ静かに当日を迎えられる境地に至っていました。

 やるべきことをやり抜いた息子の姿に、親である私たちが学ばされた3年間でした。

 これから先の長い人生においても、この誠実さが息子を支えてくれることを願っています。そして息子の歩む未来が、どうか幸福に満ちたものでありますようにと、心から祈っています。