迷い、悩み、最後は自分で。幼かった息子の決断
2歳差の兄から5年間サピックスにお世話になり、兄弟共に第一志望校とのご縁をいただけたことに心から感謝しています。
「お兄様とは全く異なる所謂『男の子の受験』になると、まずはお母様が覚悟してください」。5年生の春、先生にそう告げられました。4年生から入室した次男は、5年生で急増した学習量に疲弊し、心が折れる寸前でした。先生と相談し、この時期は一切の復習を強要せず、まずは楽しく通塾することを目指しました。復習ほぼゼロで挑んだマンスリーテストの結果が、必死に机に向かっていた時と大差なかったことは、嫌々やる勉強の虚しさを痛感するきっかけとなりました。以来、息子の心が折れないギリギリを攻めたスケジュールを組み、大好きなポケモンカードや漫画を心の拠り所に、なんとか乗り切ってきました。
6年生になり、SS特訓のコース選択を前に、私は息子に問いかけました。「熱望校を目指すなら今以上の負荷がかかる。その覚悟がある? 志望校を自分で決めてほしい」と。締め切り間際、息子が選んだのは早稲田でした。しかし、12月の冬期講習目前に大噴火が起こります。「僕の行きたい学校はここじゃなかった!」という激しい癇癪。志望校変更も覚悟し、急いで先生に連絡しました。先生は、言葉にならない想いを抱える息子に寄り添い、粘り強くその気持ちを代弁してくださいました。そして「冬期講習のコースをどちらにするか、当日までに決めておいで」と提案してくださいました。3日間、親からの誘導は一切せず見守りました。3日後、息子は苦しそうに唸りながらも、ぽつりと「早稲田にする」と呟きました。理由を聞くと、「今まで頑張った努力を無駄にしたくないから」とはっきり口にしたのです。幼く、自分の意見を言えなかった息子が、人生の大きな岐路を自ら決断した瞬間。中学受験をして本当に良かったと、胸が熱くなりました。
初戦の合格は、こんなに嬉しいものかと思うほど喜びましたし、併願校が一気に魅力を帯びていく様も見てとれました。2月を前に、「あなたは本当によく頑張っている。合否はわずか1~2点の差で決まる。不合格は努力が実らなかったのではなく、その1点が足りなかっただけ」と何度も伝えました。2月2日の合格発表日。2回目も受けるだろうと覚悟していた私は、息子と気分転換に四目並べをしながら、気持ちが折れずに試験に行くにはどうしたらいいのかと思案しておりますと、興奮した夫が携帯を持って走ってきて、息子に画面を見せました。大歓声とともに、文字通り跳び上がって喜ぶ息子の姿がそこにありました。そして、早稲田合格を心底喜ぶ息子の姿に、本当に安堵しました。3年間、毎日毎日、自分の限界まで努力した日々が、息子に大金星を与えてくれました。
学習・精神面で支え続けてくださった先生方、サピックスの仲間、解説担当の兄、そして大黒柱の夫。本当にありがとうございました。