サピックスで学んだ ―成長の途中で挑んだ中学受験―
サピックスで何度も印象に残っているのが保護者会での室長のお話でした。特に直前期の保護者会で聞いた言葉は、受験を終えた今でも心に残っています。それは、「完璧を目指さないで下さい。12歳の子どもが成長の途中で受ける受験です」という言葉です。受験というと、どうしても大人の尺度で完成度を求めてしまいがちですが、完璧でない、未完成の12歳が挑む受験なのだと感じました。
また、成績が上がるというのは決して単純な話ではなく、安易な方法に飛びつかないでほしいというお話や、「過去問ばかりやり込まないで下さい。過去問は二度と出ません。サピックスの問題をやって下さい」という言葉にも強く頷かされました。焦りが出やすい時期だからこそ、原点に立ち返る大切さを教えられた気がします。
我が家では夏休み以降、特に直前期に入ってからは、各教科の先生に「どの教材を使って、何を優先すべきか」をできるだけ具体的に伺いました。サピックスは教材やプリントが非常に多く、親子ともに迷いやすいのが正直なところです。しかし、どの先生も驚くほど明確に教えてくださいました。特に直前期は、「これとこれに集中してください」とかなり絞り込んでくださり、そのおかげで不安に振り回されることなく、迷いなく取り組むことができました。講師の先生方の示して下さった道筋が、直前期の大きな支えになったと感じています。
勉強についても、室長のお話と通じるところがありますが、成績の上がる魔法のようなやり方はないと感じています。5年生の新単元が一気に増える時期、理科の浮力やてこ・ばねなど、理解に時間のかかる単元については、目先のデイリーチェックの点数にとらわれすぎないよう意識し、1か月単位でじっくりと理解を深めることを心がけました。その結果、6年生になって再びこれらの単元が登場した際にも崩れることなく、安定した得点源になりました。実際に入試本番でも浮力の問題が出題されましたが、問題をよく読むと、深い理解がなければ解けない内容でした。中学入試の問題に目を通せば分かる通り、単純な問題はほとんどありません。本質を理解しているかどうかが問われるからこそ、深い理解の大切さを改めて実感しました。
中学受験は「親子二人三脚」とよく言われますが、入試当日、試験会場に向かう息子の背中を見て、最終的に挑むのは子ども本人なのだと強く感じました。親はただ見守ることしかできません。未完成の12歳が、自分の力で向きあう時間が始まったのだと思いました。
試験日直前には、担当の先生から応援のお電話もいただきました。合格の報告をした際には、心から喜んでくださり、こちらまで胸が熱くなりました。室長、副室長をはじめ、サピックスの先生方と出会えたことに心から感謝しています。ありがとうございました。