受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

視野を広げ、「気づき」を促す
主体的な学びを通して
“For Others”を心に刻む

フェリス女学院中学校・高等学校 校長 阿部 素子 先生

来年度から新規の留学制度がスタート
高めたいグローバルシチズンの意識

聞き手1
サピックス横浜校
校舎責任者
西山 心悟

西山 国際交流については、異文化学習の機会を提供する世界的な教育団体である「AFS」が主催する異文化体験プログラムに、ホストスクールとして参加なさっていますね。これはどのような内容なのでしょうか。

阿部 留学生を受け入れる側として交流するというもので、さまざまな国からの留学生が来ています。それから本校の生徒の留学に関しては、これまで学校としての制度は設けていませんでしたが、来年度から新しく短期の海外研修を始める予定です。まず、中3生を対象に、オーストラリアでホームステイをしながら異文化交流をするプログラムを検討中です。また、高1、あるいは高2でシンガポールに行って、現地の大学とジョイントして歴史・環境などを含めた深い学びができるような研修も考えています。

神田 国際理解を深める機会として、定期的に講演会を開催しているとも聞いています。グローバルに活動している方に話を伺うというもので、過去にはエジプト大使館の方を招き、アラビア語の指導を受けたこともあるそうですね。

阿部 エジプト、トルコ、ベラルーシなど、日本人があまり行かない国の方から話を聞き、グローバルシチズンといいますか、他者理解につながるような意識を育てたいと考えています。ベラルーシの方を招いたときは、ウクライナ侵攻の後で、ベラルーシはロシアの同盟国ということもあって、生の声で自国への思いを聞き、国の未来について真剣に考える姿を知ることができました。また、トルコからは、シリアとの国境付近で大地震があった直後にもかかわらず、大使館の方が来てくださいました。その時は、生徒有志が集めた被災地への募金をお渡ししました。これも広島研修旅行の経験から、社会に対して自分たちにもできることがあると知って始めた活動です。

神田 生徒たちもまさしく“For Others”を実践しているのですね。

24年8月号 さぴあインタビュー/全国版:
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