学校説明会レポート
麻布中学校
2026年5月28日(木)
「自由闊達」「自主自立」の精神を貫き
自分で考え、行動できる人間を育てる
明治時代から大正時代にかけて活躍した教育者の江原素六によって1895年に創立された麻布中学校・高等学校。SAPIX代々木ホールで行われたこの日の説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による入試説明から始まりました。広野先生は、実際に昨年度の麻布中の入試で使用された解答用紙を示しながら、「麻布中は、自分の考えを文章で表現する力を重視しています」と解説。受験生に向けて、「模試が終わる12月以降も学力は大きく伸びます。最後まであきらめずにがんばってください」とエールを送りました。
「自由闊達」な校風と「自主自立」の精神で知られる同校ですが、「自由」の理念は、1970年ごろの学園紛争の時期に、教員と生徒が協議を重ね、導き出したものです。広報担当の天野崇先生は「以降、制服もなくなり、生徒自治による学校生活の基盤が確立されてきました。校名の由来でもある故事『麻中蓬生(まちゅうほうしょう)』に基づき、『頼りない子ども蓬(よもぎ)であっても、良い環境(麻)のなかに身を置けば、大人が手を出さずとも、真っ直ぐに育つ』という方針が受け継がれています。それは『何をやってもいい』という放任ではなく、自由には必ず責任が伴い、行動の結果を見据える思考力もつけていかねばなりません。失敗から学べるのも中高の6年間だからこそです」と話しました。
生徒の知的好奇心を刺激する学びで
教養を深め、表現力を高める
同校では、英語や数学などの主要教科の進度が速く、中2の段階で中学のすべての学習範囲を終えます。また、座学だけではなく実体験を重視する学びにも注力しているのが特徴です。化学では卒業までに約50回の実験を行い、家庭科では車いす体験や妊婦体験、幼稚園での実習などを通して、他者を思いやることができる社会人としての心得を培っていきます。天野先生は「麻布は『勉強も放任』などと言われがちですが、宿題もしっかりと出しますし、追試や補習など『できるまで呼び出す』も手厚くやっています」と話しました。
さらに、生徒の知的好奇心を広げるプログラムも充実しています。高1・2対象の「教養総合」では、人文・科学・芸術・語学・スポーツの5分野で講義・演習・実技を展開。教員それぞれの専門性を生かした多彩な授業が行われています。また、卒業生や外部講師による「リレー講座」も開講され、生徒は興味・関心に応じて自由に受講できます。専門的な学問や社会の第一線で活躍する人々に触れる機会となっています。
「自分の頭で考え、それを文章で表現する力」も重視しています。中3では卒業共同論文、高1では基礎課程修了論文を執筆。優れた作品は毎年『論集』としてまとめられます。
国際感覚を磨く機会として海外研修制度も豊富で、河南省実験中学(中国)、ショーニガン・レイク・スクール(カナダ)、養正高校(韓国)、ジョット・ウリーヴィ高校(イタリア)と、生徒の相互訪問を行っています。

例年、ゴールデンウィークに開催される文化祭は、麻布の自治精神を象徴する行事。生徒たちが自由な発想で企画・運営を担います