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学校説明会レポート

学校説明会レポート

東京農業大学第一高等学校中等部

2026年6月17日(水)

多彩な体験学習で知を耕す6年間。今秋、新校舎「知耕実学棟」が完成

東京農業大学第一高等学校は、2005年に中等部を併設してから20年を迎えた2025年度から高校での募集を停止。完全中高一貫校へと移行すると同時に、系列の東京農業大学稲花小学校からの卒業生の受け入れを開始しました。これにより、中高6か年を見据えた効率的な学習カリキュラムと、多様性豊かな教育環境が実現しました。

この日、あいさつに立ったのは、今年4月に校長に就任した梅原章司先生です。梅原先生は、教育理念である「知耕実学」について「本校では、本物に触れる体験を『実学』と呼び、それを通して生徒の知性を豊かにすることを目標としています」と説明しました。続けて、求める生徒像として「大人が気づかないような小さな事象に疑問を持つことのできる小学生」「その疑問を自力で解決しようとする姿勢を持つ小学生」の二つを挙げました。そして、「大学受験だけに照準を合わせるのではなく、大学に入ってから、そして大人になってからも役立つ知識の獲得をめざしている本校の教育は、そのようなお子さんにぴったりだと思います」と強調しました。

次に、入試広報部長の赤井郷巳先生が、教育理念である「知耕実学」を体現するさまざまな教育活動を紹介しました。たとえば理科の授業で豚の眼球の解剖をする際は、生徒一人ひとりに1個の豚の眼球を渡し、本格的な解剖実験を行います。また、学校の裏手にある雑木林を散策し、実際に植物を手に取りながら、五感を通してその生態について学ぶ機会もあります。

東京農業大学とのつながりを生かした体験学習も特色の一つです。大学教授の指導の下、中1は稲作、中2は米の研究、中3は味噌づくりに取り組み、農業や食文化の奥深さについて理解を深めます。また、中1の9月には、3泊4日の「北海道自然体験研修」に出掛け、新巻鮭づくりにもチャレンジします。塩による食品保存に興味を持ったり、鮭の遡上時期に関心を寄せたり、体験を通して何を感じ取るかは一人ひとり異なり、それをきっかけに自分が学んでみたい学問分野に気づく生徒も少なくないそうです。赤井先生は「このように東京農業大学が持つ豊富なリソースを活用しながら『知耕実学』を実践できるのは、本校ならではの強みです」と話しました。

そのほか、放課後に行われる「一中一高ゼミ」では、年間70~80の講座を開講。箱根駅伝のランナーを講師に招いた走り方講座や、同校を卒業した現役大学生が指導する建築ゼミなど、教科の枠組みを超えた多彩なプログラムが用意され、生徒は学年を問わず自由に参加することができます。また、中1から高1にかけて取り組む「課題研究」も特徴的な試みの一つ。「コーラで歯は溶けるのか」「海中のマイクロプラスチックを除去する方法」など、生徒たちは日常のなかで感じた疑問や課題について、実験やフィールドワークを通して考察を深め、その結論をプレゼンテーションやポスターセッションで発表します。

このような「一中一高ゼミ」や「課題研究」は将来の進路を考えるヒントにもなり、生徒たちは具体的なキャリアビジョンを持ったうえで、「Tゼミ」と呼ばれる発展講習や、独自の「D模試」を通して学力の向上を図ります。その結果、今春は、東大を含む国公立大に66名、早慶上理GMARCHに513名、医学部医学科に22名が現役合格しました。

今秋には、新校舎「知耕実学棟」も完成します。地下1階にはホール、1階には図書館とラウンジ、2階には音楽室や家庭科室、美術室、技術室などの特別教室が揃います。赤井先生は「最大の目玉は、1階に図書館が配置されることです。生徒の動線上に図書館があることで、新しい知識との出合いが自然に生まれるよう期待しています」と述べました。

最後に中学入試についての説明がありました。これまで2月4日に行われていた第4回入試が廃止され、2月1日午前の第1回の募集定員が、従来の約40名から約60名に増員されます。この狙いについて赤井先生は「志望度の高い受験生に多く入学してもらいたいという思いによるものです」と説明しました。