受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 浅野中学校

中学受験を通して

T.Sさん お子さんの名前 Yさん

 長男が中学受験をしたいと言ったのは4年生になる前でした。私は中学受験の経験がなく、的確な支援ができるのか半信半疑のまま、通塾がスタート。授業内容も把握しきれず、テスト結果のみを見る形で4・5年生の2年間はあっという間に過ぎていった感じで、成績の方は安定的だったので、順調に塾の授業についていけているものと考えていました。
 ところが5年生の冬以降からか、偏差値が落ちはじめクラスも下がっていきました。これまでも乱高下はあったものの、安定していた算数が落ち込み始めたのが原因で、その時期は、今までサポートをしてこなかった私も、算数でわからない問題の復習に一緒に取り組み、質問教室の活用を促したり、算数の挽回に色々と思案し始めました。それに引き換え、本人は今まで自分のペースで学習してきたことを否定された様に感じたのか、素直に受け入れてくれず、度々衝突する場面もありました。また思春期に突入し、色々な事に興味を持ち始め、勉強の比重が下がっている感じがして、親としてはもどかしい思いをする場面も多々あり、そうしているうちに夏期前には毎回組分けやマンスリーの結果が下降する状況で、本人も辛い時期だったと思います。
 そして、夏期講習を頑張って完走したにも関わらず、夏期講習の最後のテストで最低偏差値をたたき出しました。その時は中学受験を本気で続ける気があるのか、授業内容にキャッチアップできているのか、本人に問いただすこととなりました。今でもその時のやりとりが厳し過ぎたのではと思い返しますが、実はその時に、初めて本人の苦しい胸の内や中学受験への強い思いを聞くことができました。それ以降は、塾のやり方や先生、本人を信じ進めました。そして、徐々に成績も回復傾向になり、算数を挽回することに四苦八苦する状況は変わらずでしたが、夏以降、国語が徐々に伸びてきたのです。夏期講習でコツを摑んだのか、読書好きが功を奏したのか、国語の成績が牽引する形で全体も安定してきました。私が言い合った部分ではないところが伸びてきたので、本当に何が起きるのか中学受験とはわからないものだなと思いました。
 12月&1月は、集中して机に向かう時間も増え、これまでになく頑張っている姿をみせてくれました。結果、第一志望校には届きませんでしたが、夏以降もコツコツ自分の勉強を続けたこと、そして最後まで諦めずに楽観的に続けたことが現在の進学先に導いたと思います。中学受験をしなければ、ここまで息子と深く関わることなく過ぎていたでしょう。小学高学年にもなると不都合な部分は上手く隠し、親としては気づけなかった事も、中学受験を通して深く関われたことで、今の彼の良い面も悪い面も知ることができました。中学進学は私達にとって通過点にすぎません。この経験値がこれから新たな目標に向かう息子にとっても、それをサポートする親にとっても力になってくれると信じています。

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