息子は幼い頃から良く喋る陽キャで、入試に向かう際も絶好調にギャグをかまし、麻布当日は、どんな問題が出るのかワクワクしながら会場に向かう強メンタル。
　彼の得意科目は国語（記述）。性格的にも割と自律していた為、縛りも少なく自由闊達、個性派集団の中で自己研磨できそうだと感じ麻布を目指すことにした。
　４・５年時は、上の下～中の上の成績。ここから右肩上がり！ 息子順調!!と思っていたのは束の間、６年あたりから成績の浮き沈みが目立ってきた。根性論強めな私は、根性だけではもうダメだと悟った。なかなか伸びない算数を何とかさせようとスケジュールの調整や弱点分野のピックアップなどを図った。が、依然として伸びない。
　塾の先生が夏期までに弱点を潰すように仰っていたので算数の弱点を徹底的に潰す。気合い強めな私は、息子に「人の３倍努力しろ！」と伝え、この頃には自分でスケジュールを立てていたので弱点分野の算数をひたすら解きまくっていた。そして正念場である夏期講習を迎える。普段の課題をこなしながら、時間を見つけては、また算数の弱点分野をくり返し解く。息子が12年間生きてきた中で一番勉強した!! 気合いと根性で乗り切った!!と言うくらい親が見ていても奮起した夏を過ごした。
　夏期の成果は出るのか!?と臨んだ夏期明けマンスリー。功を奏し息子史上最高偏差値をＧＥＴ！ 特に励んでいた算数でその数字が表れたのだ。さすが息子、よくやった!!と安心した矢先、次のテストでは急落。成績に一喜一憂してしまう私をよそに、息子は常にポジティブ。絶対に麻布を諦めない。そして秋ＳＳ特訓を迎える。麻布コースの中で、またしても算数が足を引っ張っていたが、必死で復習をし、12月頃からは点が取れるようになっていた。息子は自信も付いてきたのか算数の問題を解くのが楽しくなってきていた。塾の先生が入試直前まで成績は伸びると仰っていた事を全く信じていなかった私は、これは本当かもしれない!!と確信するようになった。１月になると、今までの復習を４科目バランスよくこなし、どうした息子!? 神がかっている!!と思うほど最後の最後まで勉強し続けていた。その姿は、我が子ながら尊敬するものがあり、これほどまでに努力できる男に成長したのかと胸が熱くなった。有難い事に努力は報われ喜びの涙を流すこととなった。
　叱咤激励してくださった先生方、切磋琢磨した塾友、息子の成績に比例する私の機嫌をなだめ、冷静に問題分析をし、アドバイスする夫、沢山の方々の御陰で息子の中学受験は最高の形で終えることが出来、感謝の気持ちで一杯だ。
　努力は自分を裏切らない!! そして世間では完全アウトな私のパワハラにも耐え、陽キャ強メンタルな息子が男として大成長を遂げた３年間となった。