受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 海城中学校

息子の成長

N.Mさん お子さんの名前 Gさん

 四年生の秋、海城の文化祭、「ああ、ここだな」と直感的に感じました。そして、息子の目の輝きを見て、それは確信に変わりました。その後も様々な学校を見学しましたが、息子の気持ちは一切揺らぎませんでした。この直感は、最後の勝負の日まで息子を支え続けたのだと思います。
 私自身は学校説明会で他の学校にも魅力を感じ、迷うこともありましたが、息子は頑として意志を曲げませんでした。一月校についても、「念のため安全圏の学校をもう少し受けておく?」と提案しましたが、「通う気がないのに受けても仕方ない」とあっさり断られました。その時、息子が私が思っていたよりもずっと成長している事に気付かされました。
 勝負の日まで試練は何度も訪れました。四年生の頃は上位クラスにいたものの、六年生の初めには今までで一番下のクラスに落ちてしまいました。あまりにも勉強時間が不足しているため、主人と息子は約束を交わしました。学校行事だった3泊4日の夏合宿に参加するためには、上のクラスに戻る事を条件としました。結果は僅かに及ばず、約束を果たせませんでした。
 「約束は絶対」という我が家の方針にとって、それは大きな出来事でした。サピックスの先生に相談し、「最後の夏合宿には行かせてあげてください。成績で行事を制限することは、子どもの心に大きな影響を与えてしまう」とアドバイスをいただきました。これを息子に伝えると、息子はもう一度主人と話し合う決意をしました。そして、3泊4日分の勉強時間をどこで捻出するか、綿密なスケジュールを立てて主人を説得し、最終的に結果を覆しました。今振り返ると、この時が息子の大きな転機でした。
 そして迎えた一月校の前日。知識系が苦手な息子は、最後の最後まで漢字や知識をコツコツ覚える事に気が乗らないようでした。私は緊張でほとんど眠れませんでしたが、息子はぐっすり眠っており、その大物ぶりには感心しました。この姿勢は最後まで変わりませんでした。
 ところが、この大物感が思わぬハプニングを引き起こしました。栄東の試験の際にはPASMOを忘れ、前泊だった渋幕では腕時計を忘れ、さらには試験当日に学校へ向かう途中に上履きを忘れた事に気づき、急いでホテルに戻る羽目に。穏やかに歩く他の親子達を横目に、私達は猛ダッシュ。喉まで出かかった怒声を必死に何回も飲み込み、「これで目が覚めて、頭にも血が巡って良かったね♪」と声をかけました。
 息子の中学受験は、決して平坦な道のりではありませんでしたが、息子の強い意志と成長、そして周囲の支えによって、見事に目標を達成することができました。この経験は息子にとって大きな自信となり、今後の人生にもきっと役に立つことでしょう。
 最後になりましたが、これまでご指導いただいたサピックスの先生方には、親子ともども大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。

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