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進学校 ▶ 灘中学校
息子のプチ家出
Y.Kさん ●お子さんの名前 Tさん
なぜ新倉敷駅にいる!?… スマホの画面で息子のGPS検索結果を何度も見直しました。今日は普通に登校したはず。早退したわけでもないし、この時刻に倉敷に行けるわけがない。ましてや「一人で?」…。間違い…?
なぜ広島市にいる!?…それから約30分後、今度はGPSが広島市内の住宅街で反応しました。こんな短時間で倉敷から広島に移動していたのです。地図を再度確認………!!…この場所、住宅街だけど、新幹線の線路が近くを通っている。新幹線に乗っているのか? でも、一人で? 誘拐? いや、誘拐だったら、GPSが機能するわけない。これは、一人で新幹線に乗っている。
つまり…「家出」だ。
そう判断するには十分すぎる心当たりがありました。「中学受験なんか、止めろ!」「サピックスにも明日退会の連絡をする。」…前夜に私が怒鳴り散らしていました。
中学受験をするにあたり、常々息子に言い聞かせていることがありました。『最終的にどこの学校に合格・不合格だったかは、大きな問題ではない。自分の決めた目標に対して、どれだけ真剣に取り組んできたのか? これができていれば、それだけで中学受験は成功なんだよ。』
不合格だった時の予防線でも何でもありません。本心からそう思っています。だからこそ、「逃げる」「ごまかす」「嘘をつく」が許せなかったのです。
鹿児島中央駅で、無事保護されたと聞いた時は、知らないうちに涙が溢れていました。翌日、鹿児島に迎えに行ったとき、息子は「サピックスをやめたくない。」と一言だけ…それなら…と、「パパと話したくないならそれでいいけど、今日、夕方からサピックスがある日だよね。あと30分でここを出発しないと、今日の授業には出られないよ。」私が言うと、「…行く。」と帰る準備を始めました。(恐るべしサピックス、息子の心をここまで虜にしているのか…。)
これが、六年生後期にあった息子の『プチ家出事件』のあらましです。発生原因は、私の「傲慢さ」と「独りよがり」であることは明白でした。息子は常に私が言っていた信条に対して、頭では理解していたようです。しかし、私の思う真剣さと息子の思う真剣さの相互理解がなかった状態だったようです。この事件の後、ようやく私たち家族は、本音で語り合えたのでした。息子から見たら、厳しく無理難題ばかり要求する親。親から見たら、目の前の嫌なことから逃げることばかり考えている息子。お互いそんな印象でしか語ることができなくなっていた状態を、この事件をきっかけとして、お互いが自分のことや相手のこと、そして中学受験のことを真剣に考えているのだと、理解できるようになりました。『土砂降りの後、それなりに地固まる。』
九歳から十二歳までで、子はかなり成長しているのです。それを思いがけず知る機会を得られた、感謝の三年間でした。
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