娘の合格は、娘自身の努力とサピックスの先生方のご指導によるものであり、先生方には深く感謝申し上げます。
　我が家の場合は、受験生や保護者の方に伝えられるような特別な勉強法はありません。
　娘はずっと、自分で日々の学習スケジュールを立て、課題や過去問に取り組みながら受験対策をしていました。私が手や口を出すのを嫌がっていました。娘の心の支えになったのは、サピックスの先生方です。課題が終わらないと悩めば、先生方に相談して優先順位を付けていただき、過去問の進め方や取り組み方に迷えば、適切なアドバイスをいただく。娘の不安は、そうして先生方に相談することで解消していました。
　そうは言っても、私も何かしなければと思い、娘のために解き直し用のノートを作りました。しかし、娘は渋幕と桜蔭の受験日直前にパラパラと見る程度でした。考えてみれば、サピックスで何度も同じような問題を解くのだろうから、必要なかった物かもしれません。
　私が唯一、娘の役に立ったと思えるのは読書の習慣化です。娘は勉強の合間に、いつも本を読んでいました。勉強の妨げになっているのでは？ と思うような読書量でした。毎月、さぴあのBooksコーナーで紹介されていた本の中から娘が好きそうな本と、さらに私のオススメも加えて、２週間ごとに20冊ほど図書館で借りていました。読書の効果か、娘は国語が最も得意でした。
　娘は基本的に自力で勉強していましたが、算数で解けない問題があると夫が教えていました。ただ、毎回夫が教えられるわけではないので、質問教室に行くよう促しましたが、なかなか足が向かず、結局は時間をかけて自力で解くか諦めていたかのように思います。
　そんな娘も、６年生の夏頃には質問教室を頻繁に利用するようになり、同時に家庭学習での集中力も高まっていきました。渋幕を第一志望校と決め、いよいよ娘の中で受験が現実味を帯びた頃だと思います。入室時から、娘は成績が安定していた方だと思いますが、秋から冬にかけてはさらに伸びたようです。
　親子で考え方が異なることも多々ありましたが、サピックスの先生方や教育システムを信じて本人が夢のために努力をし続ければ、受験に立ち向かえることを実感しました。特に、受験日が近づく中で精神的に不安定だった時に、先生とのお電話で娘を強く励ましていただいたことが忘れられません。私には見えていなかった娘の努力や備わっている力を認めてくださり、親子でとても勇気づけられました。
　娘はＳＳの桜蔭コースで桜蔭を目指す仲間と仲良くなったこともあり、12月頃には桜蔭についても真剣に考えるようになりました。無事に両校の合格をいただいてからは、進学先を最後までとても悩みましたが、娘は自分で決めた学校に進学します。あとは６年後、この学校を選んでよかったと胸を張れるよう充実した日々を送ってもらいたいと思います。