受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 渋谷教育学園幕張中学校

ゆるふわ帰国児の4科受験

H.Tさん お子さんの名前 Mさん

 東北地方の政令指定都市は「仏台市」ドイツの首都は「べリリン」︱︱本気の解答である。
 1月の受験直前、私の顔色は青白かった。なのに、娘はソファーに寝転がって鼻歌まじりでテキストを解いている。あの解読困難な解答を採点する時、私の顔色は何色になるのだろう…
 遡って6年生の4月、私は岐路に立たされていた。娘は海外で育ったことで日英のバイリンガルとなり、中学受験では①英語を主としたグローバル受験、②4科受験に集中、どちらかを選ぶ必要に迫られた。のんびりした娘(しかも社会が壊滅的)が土特やSS特訓を乗りきれるだろうか? 迷いが消えたのは、保護者面談。先生は、授業での様子から娘の特徴や学力を把握し、可能性を引き出してくださった。「4科で行ける。4科で受験する方がより多くの学校に挑める。」
 その後も、冒頭に書いたような困難や危機や壁や試練があっても、そのたびにSAPIXから的確な指針が示され、親として前を向いて進むことができた。娘が力を発揮できるよう支え、成長を喜ぶ、それだけに専念した。

 反省点や工夫したことをいくつか記します。ご参考までに。

◆体力大事。体調不良で塾を休んでしまうと、課題がたまって身動きできなくなります。

◆英検®などは5年生のうちに取得。6年生はスケジュールが厳しくなります。

◆「勉強までゼロ距離」の環境にしました。リビングでいつも子どもが居る場所のすぐ傍にテキストを並べ、手を伸ばさなくても勉強が始められるようにしました(家が狭いだけ)。

◆娘と同じで「こつこつ苦手、思考力は高い」タイプの方へ。本人をこつこつ努力させるのは無理でした。娘が意欲的に勉強できるよう、親がこつこつと配慮を重ねました(今日やることを明示する、目標&リワードを設定するなど)。

◆志望校の偏差値に注目しがちだが、校風、環境、通学距離など多面的に検討する。“通えたら幸せ”と思える学校が複数あると、気持ちに余裕が持てます。


 娘が書いた受験体験記の題名は『SAPIXという川に流されて』。その通り、先生方の指導力と充実した授業・課題の勢いに流されるように学んだ娘だった。でも母は知っている。娘が、先生たちの話がおもしろいと目を輝かせていたことを。計算爆速な男子たちに圧倒されながらも振り回されなかったことを。志望校別特訓では女子同士でほっこりと高めあっていたことも。そして、娘にぴったりの国際色豊かな学校の合格にたどり着くことができたね。振り返ると、流れに身を任せながら、見渡しきれないほどの豊かな学びの世界を親子で経験できたと思う。
 最後まで、ゆるふわのんびり、学びを楽しみ続けた娘を誇りに思います。導いてくださった先生方、スタッフの方々、一緒に学んだ同学年のみんなに感謝を込めて、これからの輝かしい日々を祈念します。

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