娘が入室したのは３年生の秋でした。いくつか塾の体験に行き授業が楽しいという理由でサピックスに決めました。ただ私も娘もあの時にサピックスに決めて本当に良かったと思っております。娘は何度も「サピックスに決めてくれてありがとう」と言うくらい大好きで成績が落ち込んでいた時も今日はサピないのか…と残念がるくらいでした。
　６年生になり同じように勉強しても成績が以前のように取れなくなり現実的に偏差値で学校を絞らなければいけないと思い始めました。夏期集中志望校錬成特訓では女子学院にしていましたが成績的には難しく、ＳＳが始まる前に家族で相談し２月１日は別の学校にしようと娘も納得しているように思えました。
　そんな中、先生にお会いすることがありＳＳを変更したい旨を伝えました。すると先生は「本当に変更していいの？」と娘に聞き、娘は「嫌だ、このまま女子学院コースに行きたい」と。娘は今まで強い意志を示すことのない子でした。私は娘が自分の意志で決め自分の言葉で伝えてくれたことに驚いたと同時にすごく嬉しかったことを覚えています。無理をさせたくない、悲しむ姿をみたくないと思い楽なほうに誘導してしまっていたのかもしれない。今の成績では難しいからと伝えたことにより本当の気持ちを伝えられなかったのかもしれないと反省しました。あの時聞いて下さった先生に感謝申し上げます。
　ＳＳは大好きなメンバーで毎回楽しかったと帰ってきましたが優秀なお友達ばかりで今のままでは難しいなと正直思っていました。先生方からも苦手な社会・国語とどう向き合うかで合否が変わると言われ、逃げずに最後まで悔いなくやろうと娘と決意し、社会は知識の総完成を２周したり国語の見直しを徹底したりしました。こんなに頑張っているんだから合格させてあげたいと欲張る気持ちとできないことで焦りが出たりと母親として色々な感情が入り混じっていました。ただ娘はどんなに授業の点数が悪くても絶対に次は点数あげるから！と真剣に向き合っていました。５年生の時は言い訳をしたりと自分自身と向き合えなかった娘が、きっと不安もあるのにこんなにも強く逞しくなったのかと思い合格にこだわる自分が間違っていたと気がつきました。こんな姿を見れただけで親として幸せなことではないか、きっとこの子ならこの先も大丈夫！ そう思えるようになりました。
　１月になりＳＳの授業点も目標に届くようになり最後まで伸びると先生方が仰っていたことを実感し、２月１日を最高の状態で迎えることができたように思います。試験後は「難しかった～」という言葉とは裏腹に清々しい笑顔でした。合格発表は本人が見たいと言い「え、受かってる」と大粒の涙を流しながら言った姿を私はきっと一生忘れないだろうなと思います。辛い時も声をかけ励ましてくれたサピックスの先生、切磋琢磨しながら共に頑張ったお友達に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。