今思えば、長い受験生活は全て６年後期のラストスパートのためにあり、更には第二志望校を受けた２月１日、第一志望校を受けた２月２日に向かっていたような気が致します。
　様子見でとりあえず頑張った４年生、中だるみで趣味の読書で空想の旅に出かけがちだった５年生、志望校合格の為の準備が間に合わないかもと気づき始めた６年前期、藁にもすがる思いで担当の先生のアドバイスを聞き、足繁く質問教室に通った６年後期。娘が自ら「（苦手な）算数やる！」とテキストに向かったのは６年夏期講習後半あたり、担当の先生から既存のテキストを使っての学習アドバイスを頂いた辺りからでした。まだ頑張ればなんとかなるかも！と、漸くエンジンがかかったようでした。
　過去問は、先生方のご指示の通りで一周、点数が低かったところをもう一周しました。結果は１月になっても、第一志望校の受験者平均、第二志望校の合格者平均に殆ど届かない状態でした。それでも不思議なほど落胆せず、諦めず、不合格への不安など一ミリも感じさせなかった娘の自信は、何度も通わせて頂いた質問教室で培われていたように思います。わからない問題は、解法を教えて頂くだけでなく、解けなくてよい問題だと教えて頂くことで前に進むことができましたし、何より、先生方のお姿を目にするだけで受験生としてのモチベーションがキープされたようでした。
　本番、娘は見送る私を振り返ることもなく颯爽と教室に向かって行きました。第一志望校は内実、チャレンジ校としての位置付けでしたので２月２日の第二回試験、５日の第三回試験で思いの丈をぶつけて受験生活を締め括り、２月１日の第二志望校には必ず受かりたいと考えていました。ところが初日、第一志望校試験終了後の娘の表情は青ざめており、間違えた箇所ばかりを聞かされたため、不合格だろうと覚悟しました。更に悪いことに１日午後受験では、名前、受験番号を無記名で答案を提出するという失態を繰り広げ、帰りの電車は絶望の空気に包まれておりました。しかし夫はそんな娘の帰宅後、事情を聞くと、娘を叱ることをせず冷静に学校に問い合わせたのでした。なんと教室番号や座席番号から割り出しておりますとの学校側のお返事で、当日中に合格をいただくことができました。この合格は本当にありがたく、娘は余計な緊張がほぐれたのか、２日午前の第一志望校受験は大成功！ 試験終了後の娘は清々しい表情で、「私どんな模試や本番よりも、一番集中できた。やることはやったから落ちてても文句ないよ。涙も出ないと思う」と。とは言え、娘には難易度が高い学校だったので、安堵する間はありませんでした。３日、４日を有効に過ごすため担当の先生に相談し、親子とも意識は５日に向かっていました。そのような状況でしたので、２日の晩、第一志望校の合格画面を見た時には喜びよりも先に、信じられない思いでした。徐々にその現実を受け止めていくのと同時に、娘のつゆも諦めなかった強い意志を認識し、尊いものを見せてくれた娘に感謝の気持ちさえ湧いてきました。12歳の娘、よく頑張ったねと涙が出てきました。
　娘にとって、第一志望校は絶対的でした。親としては合格を願えば願うほど、実力の届かない娘に厳しい言葉もかけてきました。そんな状況でも合格に向かって導いてくださった担当講師の先生の存在、わからない時の味方的存在の質問教室が、娘に勇気と希望をくださいました。そのおかげで、自分を強く信じて本番を迎えることが出来たのだと思います。大変お世話になり、ありがとうございました。