「始め」の合図でスタートした人生最初の受験。一教科目は国語。シャーペンを手に取り、黙々と文を読み進める。全科目を終え、期待と不安が混じった手で解答用紙を手渡す。
　私がサピックスで授業を受けるようになったのは、四年生の春からだ。入室したての頃は、自分が何の為に勉強しているのか、目標がはっきりと定まっていなかった。五年生に進級すると、段々レベルが上がっていく教材を学ぶのが辛くなり、なぜ親の見栄の為に勉強しなければならないのか、中学受験は私に適していないのではないかと、親や自分に当たっていた。六年生になると、それまで良かった成績は下がり、勉強にも身が入らなくなってきてしまった。しかし、長い長い夏期講習が終わると、そこには、楽しく授業を受け、マイペースながらも教材やテキストに取り組む私がいたのだ。成績もジグザグ状態が続いていたものの、全体的に点数は上がっていった。そして受験の数日前になると、私はまだ一校も合格していないのに、サピックスの授業が全て終わった事で満足感に浸っていた。また、結果的に志望校の合格をもらう事ができた。
　そんな私から、これから試験を受けるであろうサピ生たちにやってみて欲しい事が、全部で二つある。
　一つ目は、サピックスの問題集。コアプラスや言葉ナビなどを繰り返し読む事だ。そうすれば、読んでいるうちに自然と基礎知識が記憶される。
　二つ目は、ＳＳ特訓の復習をする事だ。志望校別にコースが分かれ、それぞれ別の教材を学ぶＳＳは、サピックスの授業の中でも特に大切だと私は思う。
　私の体験はほんの一パターンだが、この体験が少しでも皆さんの参考になれば良いと思う。サピ生として誇りをもち、安心して受験に挑んで欲しい。