受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/受験体験記

進学校 開成中学校

最後の一秒まで自分を信じる

H.Yさん

 2月3日、僕は笑顔を隠し父のスマホを見つめていました。冷静な真顔の裏で心は跳び跳ねていました。第一志望の開成に合格したのです。
 1日に開成の校舎を出てからずっと、諦めと期待を半分ずつ抱きモヤモヤしていました。諦めの原因はただ一つ。算数が壊滅的に出来なかったのです。「取れても4割だ。失敗した。」そんな思いが僕の心を支配し不安でした。でも自己採点はしませんでした。前を向くしか無い。明日も明後日も入試、夕食を無心に食べ早めに眠りました。
 開成の発表日は浅野の本番でした。試験終了後、父の待つグラウンドに向かいました。父は僕に会うと唐突に「開成の結果、知りたい?」と言いました。恐る恐る画面を見ると、そこには自分の受験番号が…。
 一瞬ニヤッとし、喜びと裏腹に真顔を作り母の待つ自宅へ帰りました。なぜか帰りの電車では合格の実感が湧きませんでした。その晩、開成の合格証書を眺めていると、本当に合格したんだ! と実感しながらもフワフワした気分で眠りにつきました。
 僕は結果として、受験した4校全て合格できましたが、本命の開成は心がギュッと痛くなる合格でした。算数は失敗したけれど、他の3科目は1月の徹底反復のお陰で自信を持ち解答できました。
 合格報告をした校舎の先生に「開成の算数は失敗ではなく正しい取り方だったよ。」と言ってもらい心がスッキリ軽くなりました。
 僕が開成を目指し意識したことを伝えます。国語の漢字は絶対取る。設問は傍線部の周辺を穴があくほど見る。算数は冷や汗をかく問題が連続しても焦らず、そして絶対に諦めない。理科の知識は早めに固める。ゴツい計算も演習を繰り返す。社会は東京問題を含め全分野に満遍なく取り組む。どの科目も知識問題は直前まで伸びます。
 最後まで余裕のない僕が合格できたのは、SAPIXの仲間や先生、警備員さん、そして家族のお陰です。

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