受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2025年度中学受験  サピックス小学部第30期生/受験体験記

進学校 慶應義塾中等部

負けたことがある、それがいつか大きな財産になる

Y.Tさん

 僕は志望校別のコースでは、ほとんど上のクラスにいたし、多くの模試も受け、たくさん努力して、あと一歩で手が届く範囲に合格はあったと思う。
 だが、2月3日の午後3時、無情にも麻布中学校のホームページには、僕の受験番号はなかった。
 実はその前日にも、合格に多少自信があった巣鴨中学校の結果が不合格で、かなりショックを受けていた。しかしながら、それに比べても麻布中学校不合格の衝撃はとてつもないもので、呆然となり、その後は自分も、父も母もしばらく泣いた。
 気持ちが落ち込み、また不合格になるのが怖くなった。次の日は確実な安全校を受験しようと思い始めていた。
 しかし、この考えを変えたのは、父からの「このまま巣鴨を不合格で終わらせていいのか? 明日また試験を受けて、やり直すべきではないのか?」という言葉だった。そして、母や弟、僕の担当の先生や、校舎の室長からも励ましの言葉をもらい、この精神的に大変厳しい状況から短い時間で立ち直り、何とかして合格を取りに行こうという気持ちに切り替えることができた。
 2月4日、僕は巣鴨中学校の入試にリベンジし、合格を勝ち取った。
 また、2月3日に受験した慶應義塾中等部の筆記試験にも合格したため、4日の夜は、遅くまで両親と一緒に親子面接の対策を行い、5日の朝は、やはり親子3人で公園に行って、体育実技のジグザグドリブルや縄跳びの特訓を行った。
 2月6日の午後3時、慶應義塾中等部の合否結果を見た。合格だった。
 麻布中学校で負けた経験が、僕を強くしてくれた。家族や先生方、気にかけてくれている人たちに感謝している。
 頑張ったことは、どんなことがあっても無駄になることはない。後輩の皆さんにはそれを伝えたい。
 あの時諦めないでよかったと思う。僕は胸を張って慶應義塾中等部に入学する。

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