受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/受験体験記

進学校 桜蔭中学校

ありがとうございますサピックス

M.Mさん

 最低なスタートを切った、五年の十一月。「大丈夫さ。上を目指せ。お前ならできる。」父がそう励ましてくれました。しかし何だかやる気が湧かないのです。それでもあの学校に受かるため、と思って頑張りました。
 六年の四月。努力が実を結んだのか、それまで少しずつ伸びていた成績が一気に上がったのです。どきどきしながら新しいコースでまた学んでいきました。
 上のクラスが板についてきた夏休み。仲間と共に夏期講習に挑みました。時には戦い、時には励まし合う。先生も面白いし、仲間もにぎやか。半年で劇的に成長した私は、半年前の苦しさが嘘のように授業が楽しく感じられました。そう、その時だけ志望校のことやこれからすべきことが頭から離れ、とにかく学んだことを吸収する、そこに専念しました。九月。有名中の課題も終え、過去問やSS特訓が始まりました。本格的な「受験」期に入ったと、ひしひしと感じます。しかし、私の脳はいつも通りに働き、「まだ先の事じゃ~ん」とのんびりしているのです。これではだめだと焦りました。けれども、あがけばあがくほど成績は落ちていきます。
 悪循環となったまま冬期講習、正月特訓に突入。負のスパイラルは増すばかりなのに、ついに体までもが制御不能になりました。「あんた、受験終わりかよ。」母に冷たく言われたのが一月末。今のところ合格はある。でもどうしても東京の学校が良い。先生方は入試は始まったらあっという間、とおっしゃいますが、私にとってはとても長いものでした。二月一日、二日、と受けた時だけ恐ろしく時間が経つのが早いと感じました。
 結果発表の時まで、あと五十七秒。私と母は食い入るように秒針を見つめました。午後二時ぴったり。ごくりとつばを飲みこみました。……あ。「きゃー!」合、格。それは人生で最も喜ばしい瞬間でした。やったー、とさけびまくる母と共に受験全勝を祝います。夢みたい。さて、どの学校にいきましょうか。
 幸せな悩みだと思います。幸せをつかんだことを実感しました。今まで切磋琢磨してきた仲間たち、幸せをつかむきっかけを作ってくれた先生たち、支えてくれた家族への感謝でいっぱいになりました。
 次期受験生のみなさん。こんなに頭の悪かった私でも受験全勝という夢を一年半でかなえることができたので、みなさんもきっと上手くいきます。自分を信じてください。あとは、「基礎トレを毎日やる」ことと「コアプラスは命の次に大切である」ことを覚えてさえいれば、あなたたちは来年の春、憧れの制服を着て新たな一歩を、清々しい気持ちでふみだせることでしょう。

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