受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

スクールナウ

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2026年9月号から転載

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市川中学校・高等学校

高校生が講師となる
小学生体験講座
理科・算数のおもしろさを
伝える

市川中学校・高等学校は千葉県有数の進学校として知られています。高校は、2009年度にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、2024年度から4期目に入りました。その取り組みの一つとして年2回実施されているのが、地域の小学生に理科・算数の実験を指導する体験講座です。7月に行われた講座の様子を取材し、講師を務めた高2の生徒2名に話を聞きました。

化学・生物・物理・算数の実験を実施
子どもたちが楽しめるような工夫も

炎色反応の説明を受け、花火の色を再現する実験。反応を見つめる小学生の目は真剣そのもの

炎色反応の説明を受け、花火の色を再現する実験。反応を見つめる小学生の目は真剣そのもの

理系の高2生が講師を務める小学生体験講座。この日は2回行われ、1回につき100名程度の小学生と付き添いの保護者の方が参加しました。

会場となる四つの実験室と多目的ホールでは、それぞれ化学・生物・物理・算数の実験やゲームが行われています。高2の理系生徒は全員が参加し、教室内の区切られた各スペースで実験の準備をして小学生を迎えます。

化学室では金属によって熱すると色が変わる炎色反応や化学反応で一気に泡が大きくなる実験、オリジナルのスライム作り、生物室では小さな生き物の顕微鏡観察や迷路を通るダンゴムシの交替制転向反応の観察、物理室では水の表面張力や磁石を使って電車を走らせる実験、多目的ホールでは、数字を使ったマジックや図形工作など、さまざまな実験や企画が実施されていました。いずれも、見た目でもすぐわかるよう、色やかたちの変化の不思議さで興味を引き出したり、遊び道具を使いながら原理を理解させたりするなど、工夫のあとがうかがえる講座ばかりです。なぜそうした現象が起きるのかを、高2生たちがていねいに説明してくれます。「どれが正解だと思う?」「どうしてだと思う?」との問い掛けに、小学生たちは思い思いに答えます。「これはね、こういう理由なんだよ。じゃあもう一度やってみようか」。子どもたちは目を輝かせ、身を乗り出すようにして見入っています。

各回1時間ほどの講座は午前中に2回設定されていて、参加者は完全入れ替え制です。各教室で複数の実験が行われており、時間内であれば自由に出入りすることができます。教室を出る際に保護者の方に「楽しかった」と笑顔で話す子や、生物室の骨格標本に興味があるのか、白衣を着た生徒にずっと質問をしている子もいました。

講師を務める生徒は子どもたち一人ひとりにていねいに向き合ってくれます。授業の一環ということもあり、保護者の方にとっては学校説明会とはまた違った、ふだんの学校の雰囲気を感じられたことでしょう。

一方、在校生にとっては、学んでいることをわかりやすく説明する過程を通して、的確に伝えることの大切さや難しさを知る機会になったかもしれません。終了後、高2生からも「楽しかった」という声を多く聞きました。

SSHの取り組みを通じて生徒と小学生が触れ合えるこの講座には毎回多くの応募があります。次回は12月19日(土)に開催予定です。参加は無料で、応募者多数の場合は抽選となります。

  • 小さな生き物の様子を顕微鏡で観察します。高校生の説明を聞き、理解も興味も深まります

    小さな生き物の様子を顕微鏡で観察します。高校生の説明を聞き、理解も興味も深まります

  • 高校生が優しくていねいにサポートしてくれます。実験によっては、おみやげがもらえます

    高校生が優しくていねいにサポートしてくれます。実験によっては、おみやげがもらえます

教え方を考えることで
自分たちの理解も深まる

左から、犬持 ひなたさん(サピックス西船校OG)、加茂 志貫さん(サピックス海浜幕張校OB)

左から、犬持 ひなたさん(サピックス西船校OG)
加茂 志貫さん(サピックス海浜幕張校OB)

―今日の講座について高2のお二人にお聞きします。今回は何の実験を担当しましたか。

加茂 ぼくは、「魔法の水」と題した化学の信号反応の実験です。黄色の液体を振ると赤に、さらに緑色になることから、3色にちなんで信号反応といわれているものです。

犬持 わたしは物理の重力に関する実験です。猿の絵を描いた容器を落として、射的で当てる「モンキーハンティング」を担当しました。

―小学生たちの反応はいかがでしたか。

犬持 射的で当たったときにうれしそうで、なぜ当てることができたのかを説明すると、納得したような表情を見せてくれました。本来は微分や積分を使う内容なのですが、どうすれば楽しんでもらえるか、どう説明すれば小学生にもわかってもらえるかを考えました。

加茂 どういう原理でそうなるのかを質問する好奇心旺盛な子どももいて、教えがい、やりがいがありました。教え方を考えることで自分たちの理解が深まった面もあり、説明力やコミュニケーション力の大切さをあらためて感じました。

―高2で1年間かけて課題研究に取り組む「市川サイエンス」での研究テーマは。

加茂 「人間は火星に住めるか」です。火星は酸化鉄で覆われていて放射線量も高いとされています。人間と同じ真核生物である酵母菌が、どれくらいの酸化鉄下や放射線量下でも生存できるかという研究をしています。将来は、医学か農学、生物方面に進みたいと考えています。

犬持 わたしは小さいころからバイオリンを習っていることもあって、バイオリンの穴の形状と音色の関係を研究しています。放課後や授業のない日でも好きなだけ実験室を使うことができます。「市川サイエンス」はテーマ設定から始まって、構想発表、中間発表を経て高2の3月に研究成果を発表します。この夏は海外研修に参加して、研究内容を海外の学校で発表する予定です。

―市川はどんな学校ですか。また、市川をめざして勉強をがんばっている受験生たちにひと言お願いします。

加茂 理系に限らず、やりたいことをとことん追求できる学校です。探究心を大事にしていて、学校が手厚くサポートしてくれ、中学受験の先には楽しい学校生活が待っていると思うので、がんばってください。

犬持 わたしもこの学校の良さとしてまず思い浮かぶのは、好きなことに熱中できる環境です。勉強や研究以外でも、やりたいことに全力で取り組もうという雰囲気があります。わたしたちの学年のスローガンは「三兎(①学習、②学校行事、③部活動・課外活動)を追って青春を燃やせ!」です。皆さんもきっと学校生活のなかで何かに熱中できると思います。

共学校 私立 千葉

市川中学校・高等学校

〒272-0816 千葉県市川市本北方2-38-1 JR総武線・都営新宿線「本八幡」駅、JR武蔵野線「市川大野」駅より バスで各11分、「市川学園」下車。JRほか「西船橋」駅より 直行バス20分(登下校時のみ運行)。京成本線「鬼越」駅より徒歩約20分

Information

www.ichigaku.ac.jp/exam-information/junior-information/

※学校説明会などの情報は上記よりご確認ください。