「受験体験記ってどんな人が書いているんだろうね」。お茶会でママ友が言う。「そうだね」。別の友がうなずく。言い出せない私。
　そうです！ 私は書かせていただこうと思ってました。なぜなら、長い受験生フォロー生活、つらいとき、悩んだとき、受験体験記を開くとさまざまなドラマがあり、涙あり笑いあり、勇気を頂いたからです。本当は具体的に書かせていただくとよいのですが、先日、小学校の最後の保護者会で、小学校生活で成長したことを発表する際に、「給食のお代わりで食パンを５枚食べていると先生に伺ったのですが、これから中学生になるということもあり、『ここまでにしとく』と我慢できるようになりました」と披露したことが息子に知られ、心の距離を置かれてしまったので、万が一本人が読んでしまったときのため、具体的な話題は慎み、サポーターとして感じたことを書かせていただきたいと思います。
　受験は長期戦。負荷がかかり過ぎていると感じたときは、スパッと息抜きをさせました。６年生では頂くプリントが大量だったので、ホチキスを外し、授業で扱ったプリントだけを抜いて、「これだけは直そうね」と渡した時期もあります。赤シートで隠すタイプのものや年号プリントなどの「ザ・暗記」が苦手なようで、やったほうがいいと勧めましたが、結局やらなかったようでした。
　その代わりにストーリーがあるものを読むことは好きだったので、テキストや資料集を何度も読みました。理科・社会の勉強はさまざまなアプローチ法があると思うので、合わないなと感じたら別のやり方を試してみるとよいかもしれません。
　また、算数の解法について、授業でノートを取っていないなと悩んだ時期もあります。サピックスの先生に相談したら、「男子はノートを取れません」と言ってくださり、悩みから解放されました。本当は男子もノートを取るのかもしれません。ですが、「そんなものです」と先生に言っていただくことで、息子のありのままを肯定することができました。
　サピックスに通ってよかったと思うことはたくさんあるのですが、受験を終えていちばん感謝していることは、受験校を決める際、本人が受験したいと強く望んだ学校の受験に、弱気になっていた私の背中を先生が押してくださったことです。「本人の成長のためにも受験したほうがいい」とアドバイスをくださり、真っ只中では成長という長期的視野でとらえることができなくなっていた私に、「中学受験は成長の通過点なのだ」と気づかせてくださいました。桜が咲くことはかないませんでしたが、１日校は、本人の意思を尊重することができ、本当によかったと思います。１日校だけでなく、２日校、３日校の選択についても先生に何度か相談させていただいたのですが、終わってみると先生のおっしゃるとおりに結果が出てきて、プロってすごいなと驚きました。
　最後に。これから入試を迎える皆さま、大変なこともあるとは思いますが、元気に入試の日を迎えてほしいなと思います。壁に当たったなと思うときは、ぜひ受験体験記を開いてみてください。悩んだときは、迷わず先生に相談しましょう！
　心から応援しています。