受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 市川中学校

娘から学んだこと

K.Iさん お子さんの名前 Mさん

 下の娘は、兄の受験勉強を横で見ていて、小さいながらとても大変だと感じていたからか、もともとは受験はしないと言っていました。ところが、3年生の秋に突然、「将来やりたい仕事に就けるから、受験したい」と言い出し、そこからわが家の受験への道のりがスタートしました。
 最初は別の塾に通っていましたが、人数が少ないせいか成績も低迷が続いたので、思い切って5年生からサピックスに転塾しました。クラス昇降などでもまれるうちに成績は少しずつ上がっていったものの、スタートもそうなら途中でもやっぱり娘はマイペースで、「渋谷幕張中に入りたい」とは言うものの、それに見合った学習や姿勢がなかなか身につきませんでした。特に算数のケアレスミスが直りませんでした。私も焦ってしまい、ついつい厳しく叱ってしまったりしましたが、6年生になってからは「勉強は楽しくやるのがいちばんだ」と思い、社会などの良いところをほめるように態度を切り替えたところ、国語・社会・理科はだいぶ得点できるようになりました。算数も、「基礎力トレーニング」で満点を取れるように毎日鍛え、致命傷を負わない程度に得点することをめざしました。
 しかし、渋幕は遠く、最後まで合格可能性20%から上がることはありませんでした。そこで、本人のモチベーション維持のために、第一志望校は変えずに市川中・東邦大付東邦中には確実に受かる作戦でいくことにしました。
 いよいよ本番になりました。栄東中・江戸川取手中と順調に合格しました。ところが…その後、渋幕どころか市川・東邦も落とし、3連敗となってしまったのです。娘や先生の話を聞くところでは、どうやら最初の2校の合格で慢心してしまい、問題文などの読み落としで失点を重ねてしまったようなのです。
 これにはさすがにショックを受けましたが、先生と相談し、「市川・東邦なら2月の入試でも十分合格できる力はあるから、とにかく受け続けましょう」と戦略と励ましを頂き、なんとか親子ともに気持ちを立て直し、もう一度、直前までしっかり準備をしました。また「悪い流れを変えるために外食で気分転換もいいかもしれません」とおっしゃっていたので、その夜はファミレスにも行き、2月の入試に臨みました。すると、なんと今度は昭和学院秀英中・東邦・市川に合格したのです! 娘が最後まであきらめずにたたかい抜いた姿に、私は涙が止まりませんでした。
 残念ながら2月は難関校へはチャレンジすらできませんでしたが、娘が夢をつかみ取るために苦境を乗り越える力を身につけられたことは、人として成長できたとても価値ある経験であり、今後の人生にもきっと生きると確信しています。
 今、悔やまれるのは、4年生のときから自分がほめて伸ばす良きサポーターだったら渋幕にも手が届いたのではないか、ということです。受験を通じて、自分も人間として成長させてもらい、娘には感謝の気持ちでいっぱいです。拙い親ですが、これからも一緒に成長していきたいと思っています。

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