受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 雙葉中学校

静かにゆく者は遠くへゆく

K.Oさん お子さんの名前 Cさん

 「静かにゆく者は遠くへゆく」
 もともとはラテン語のことわざのようですが、児童文学者の斎藤惇夫氏が結婚のときに贈られ、とても大切にしていることばだそうです。
 3年超の長いマラソンのような受験勉強の果てに、合格というゴールにたどり着いた娘の様子を見て、私はこのことばを思い出しました。
 娘がサピックスに入室したのは新4年生の2月でした。まずはコロナ禍の始まりのなかでのスタート、算数がなかなかの難敵でしたが、「基礎力トレーニング」や復習の繰り返しに重点を置いたサピックスのカリキュラムをこなしながらがんばり、乗り越えていきました。試験の結果やクラス昇降もほぼ安定して推移していったと思います。
 その後のカリキュラムでは、新5・新6年生と学年が上がる際に、一気に家庭学習や日々の授業時間が増えます。その切り替えの際には娘も苦労し、若干気弱になるときもありました。しかし、そのサイクルに慣れてくると、黙々と受験勉強に取り組んでいったようで、そのあたりは、わが娘ながら尊敬をしております。さながら、前方の集団をキープしながら走るマラソンランナーのようでもありました。
 そして、サピックスというマラソンコーチも見事な指導でした。感謝しております。わが家の場合は、勉強のフォローにあまり手を入れることができず、そのほかの支援をするしかない、沿道で応援する家族のような状況でした。それでも、親のほうは「もう少し算数の偏差値を上げられないか」「志望校は適切なのか?」などと心配になることがありました。そんなときがあれば、思い切って、サピックスに電話をすることをお勧めします。私たちも電話をし、そのつど先生の冷静で適切なプロのことばに助けられました。「女子校であれば、算数の得意な男子はライバルになりませんから、今のままがんばりましょう」「志望校、いい狙い目だと思いますよ」などといったことばです。
 さて、こういういわゆる「受験体験記」では、どちらかというと「ラストスパートで自分の偏差値よりも高い学校に合格しました!」という話が多く、そこに注目が集まる気もします。それもある種の真実でしょうが、一方でそれを読んで、むしろ自分の偏差値をキープしながら、サピックスの平常授業、土曜志望校別特訓、SS特訓を黙々と受け続けている皆さん、自分と一生懸命にたたかい、目標に向かって静かに、しかし青い炎を燃やしながらがんばっている皆さんは、少し不安に感じてはいませんか。
 そういう人にこそ、「大丈夫、サピックスを信じて、そのままがんばれ!」と伝えたいと思います。量も、内容も、誰にも負けずに勉強に取り組んだからこそ、そのクラスにあなたはいるのだと、声を掛けたいと思うのです。娘は静かに勉強に取り組みながら、順当に「合格」を手にしました。「静かにゆく者は遠くへゆく」のです。
 「えー、課題やり切れないこともあったよ」「え? そうなの?…」「うん」…と、とにかく自分とサピックスを信じて、がんばれ受験生!

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