ぼくは４年生で転校して、サピックスに入った。そのときは新型コロナウイルス感染症の影響でサピックスに授業を受けに行くことができず、オンラインで授業を受けなければならなかった。オンライン授業の時間は普通より短く、内容も十分には理解できなかったうえに、毎週ドサドサと教材が届いてくる。そのときが、おそらくいちばん苦しかった。でも、しばらくするとサピックスに行けるようになり、行ってみると驚いた。授業がとてもおもしろかったからだ。学校よりも自由に発言できるし、何よりも先生がユーモアにあふれていて、すぐに集中できた。
　成績が良いわけではなかったが、５年生になって初めて上位クラスに入ることができた。そうしたら、先生の授業がもっとわかりやすくなって、とても幸せだった。６年生になると、志望校別のクラスのみんなととても仲が良くなり、サピックスが楽しみで仕方がなかった。ＳＳ特訓でお弁当を食べる時間に、友だちとお菓子を交換してワイワイしていたら、先生に注意されてしまったことも良い思い出だと思う。
　１月に「受験体験記」を読むと、「コアプラス」や「漢字の要」「基礎力トレーニング」を毎朝やる！というようなことが多く書かれていて、「ぼくもやらなければ」とも思ったが、「基礎力トレーニング」をためてしまう悪い習慣があり、なかなかできず、結局、最後まで毎日はできずに終わった。そして、恥ずかしいことだが、ゲームを直前までやってしまった。頭では「勉強しなければ」と思っても、体が動かないという状態だった。
　そんなぼくから、受験生に伝えたいことが二つある。一つは、過去問は必ずやるようにしてほしいということだ。過去問をひととおりやって慣れていったことが、合格できた理由だと思う。もう一つは、その学校への強いあこがれを持ち、受かりたいと強く思うことだ。ぼくの場合も、その気持ちが合格への切符になったと思う。
　先生方、今まで本当にありがとうございました。