さぴあインタビュー/全国版
「ノブレス・オブリージュ」の精神の下
グローバルリーダーとして
社会に貢献できる人を育てる
東京都市大学等々力中学校・高等学校 校長 草間 雅行 先生
「世のため人のために」
創立者の遺志を受け継ぐ理念
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹
神田 初めに、学園の沿革についてご紹介ください。
草間 本校はかつて東横女子短期大学の付属校(東横学園中学校・高等学校)でした。2009年に武蔵工業大学と東横女子短期大学が統合して東京都市大学に改称したことにより、新たに中高一貫の共学校として生まれ変わり、そこから数えて今年でちょうど15年になります。
東横女子短期大学は、東急グループの基礎を築いた実業家の五島慶太先生が創設した東横商業女学校を前身として発展してきた学校です。五島先生の遺志に基づく「高潔」「英知」「共生」を教育理念としてきました。共学化したときにこの理念に加え、新たに「noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」、つまり「高潔な若人が果たすべき責任と義務」の精神をスローガンに掲げ、グローバルリーダーの育成に努めています。
ノブレス・オブリージュは、当時は一般にも耳慣れないことばだったと思いますが、今は生徒のなかにも浸透しています。たとえば、クラスの話し合いなどで誰かが「これって、ノブレス・オブリージュに反するんじゃないの?」などと言うと、みんなが「そうだね」などと、すとんと理解できるんです。生徒たちの間にこの精神が根付き、何かにつけ意識しながら行動していることを感じます。
神田 五島先生がご存命でしたら喜ばれると思います。五島先生は鉄道事業で大変な手腕を発揮された方ですが、「事業は人なり」という考えをお持ちだったと聞いています。そのことがこの精神につながっているように思います。
草間 五島先生は教育に対して熱い思いをお持ちで、本校の経営母体である五島育英会を設立したのも、私財を投じて東横商業女学校を設立したのも、「世のため人のために」という思いからでした。
神田 草間先生はこの4月に校長に就任されました。それまでは、同じく東京都市大学付属の男子校で長く教えていらしたそうですね。
草間 かつての武蔵工業大学付属中学校・高等学校、現在の東京都市大学付属中学校・高等学校に35年間勤務していました。理科の教員として教壇に立ち、その後は教頭・副校長を務めました。都市大付属も本校も同じ東京都市大学の系列校ですが、教育システムや校風は異なります。都市大付属の良いところを取り入れて、共に高めていけたらと思っています。
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