さぴあインタビュー/全国版
「ノブレス・オブリージュ」の精神の下
グローバルリーダーとして
社会に貢献できる人を育てる
東京都市大学等々力中学校・高等学校 校長 草間 雅行 先生
「TQノート」で時間管理能力と
自学自習の習慣をつける
福泉 施設を拝見しましたが、すばらしい設備がたくさんありますね。「都市大等々力リテラシーセンター(TLC)」は建物一棟が自習室として開放されているのですね。
草間 TLCは、大学の施設として使われていた建物を自習室として改築したものです。ブースで仕切られた自習室はもちろん、グループで学べるスペースもあって、みんなで和気あいあいと学習できます。ふだんは放課後の講座で使い、定期試験前は自習室として開放する広いホールもあります。
自習室は高2以下は夜8時まで、高3は9時まで使うことができます。クラブ活動が終わるのが6時過ぎですから、その後はクラブの仲間と8時まで自習室で学べるわけです。友だちと一緒に学習するのはとてもいいことだと思います。自習室には大学生のチューターが常駐しているので、わからないところがあればその場で解消できます。また、9時まで残っていた高3生はチューターが駅まで送ってくれます。
神田 それは保護者の方も安心ですね。第2校舎には理科実験室などの特別教室のほかに、すばらしい眺望のラウンジもありますね。
草間 ラウンジは一面がガラス張りで、晴れた日には富士山がきれいに見えます。ラウンジの横のテラスには菜園があって、いろいろな野菜を栽培しています。園芸の授業は中1で行いますが、学年が上がっても栽培を続けているグループがあって、高3でも何人かが参加しています。先日もその生徒たちがキュウリやナスを校長室に届けてくれました。
福泉 オープンスペースも多く、各フロアに二つずつあるのですね。
草間 オープンスペースは、各フロアの同じ位置に設置されており、そこが上から下まで吹き抜けになっていて光が注ぎ込みます。高校生ならお弁当を食べたり、中学生なら給食後に友だちとおしゃべりしたり。朝からそこで勉強している生徒もいますし、放課後は担任との面談に使われるなど、いろいろな使い方ができます。
神田 自習スペースを整えるだけでなく、自学自習の姿勢を育てる支援システムも整備されていますね。たとえば「TQノート」は貴校の大きな特色だと思います。
校長 草間 雅行 先生
草間 TQは「Time Quest」の略で、このノートを使って、1週間ごとに自分の学習予定を立て、実際に取り組んだ時間、振り返りなどを毎日書き込んでいきます。振り返りをしながら、自分の時間をマネジメントしていくわけです。ノートは毎朝回収して、空き時間に担任がチェックして放課後に返します。
神田 1クラス40人分のノートを毎日チェックしてコメントを入れるのは大変でしょう。
草間 それが本校の教員の熱意です。教員がそれをやっているからこそ、生徒たちも続けていけるのだと思います。
神田 そうやって中1から時間の使い方を訓練して身につけると、受験準備に入ったときも役立ちますね。
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