受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

「ノブレス・オブリージュ」の精神の下
グローバルリーダーとして
社会に貢献できる人を育てる

東京都市大学等々力中学校・高等学校 校長 草間 雅行 先生

現地体験を通して学び考える
命の尊さと平和のありがたさ

キャプションあり
上/学年集会や講演会などで使用される「つばさホール」
下/校舎5階の「ラウンジSo-La」(学食)からの眺めは抜群。土曜日は中学生も利用できます

神田 宿泊行事のなかに、中2の「自己発見と共生の旅」と、中3の「平和と命の旅」があります。これはどのような内容ですか。

草間 中2は2泊3日で福島県に学びに行きます。原子力発電所や放射線などについて事前学習を重ねた後、現地に行って施設を見学したり、現地の方に話を聞いたり、地元の中学生と交流したりして、被災された方に対して自分たちにできることは何かを考えます。ここ数年間は、その一つのゴールとして「什の掟プレゼン大会」というものを行っています。「什の掟」は会津藩の藩校における十人組制度「什」における決まりごとです。それになぞらえて、事前学習や現地の体験学習を通じて考えたことをグループで議論して、中学生である今の自分たちが意識して生活していくべき心構えを「什の掟」として作成します。

神田 まさに「ノブレス・オブリージュ」を掲げる貴校ならではの取り組みですね。中3の旅は修学旅行ですか。

草間 はい。鹿児島県の知覧、熊本県の水俣市、そして長崎市などを回って、命の尊さ、平和であることのありがたさを感じる旅です。この修学旅行でもプレゼンする機会があります。水俣での実地見学や現地の方々からお話を伺った後、自分たちが事前学習して考えたことを伝えます。学校に戻ってからも最後は発表を行いますが、このときは海外からの留学生にも聞いてもらって、その後ディスカッションをします。原爆についてディスカッションしている様子などを見ていると、修学旅行で貴重な学びを得てきたことがよくわかります。

神田 本で読んだり、写真で見たりしたこととは違って、現地に行って肌で感じたことは重みがあると思います。命の尊さを学ぶすばらしい修学旅行ですね。

24年11月号 さぴあインタビュー/全国版:
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