さぴあインタビュー/全国版
「ノブレス・オブリージュ」の精神の下
グローバルリーダーとして
社会に貢献できる人を育てる
東京都市大学等々力中学校・高等学校 校長 草間 雅行 先生
定着度を高めるICT活用の英語
年間100のテーマを扱う理科実験
サピックス
小学部教務本部
福泉 秀司
神田 教科の学習にもさまざまな工夫がなされていますが、まず英語教育にはどのような特徴がありますか。
草間 英語では「朝学習」が一つの特徴として挙げられます。中1・2は週6日のうち4日は「朝学習」で英語を扱います。英語ではAIを活用した学習システム「システムΖ(ゼータ)」を導入しており、朝の10分間は記憶定着アプリを使って「読む・書く・聞く・話す」の4技能を鍛えます。定着度は週に1回の小テストで確認し、成績が悪ければ放課後に再指導して追試を行います。それでもうまくいかなければ、大学生チューターにきめ細かく学習の進め方などをコーチングしてもらいます。その結果として、たとえば英検®の合格率も着実に上がっており、現在は中2の91%が3級を取得しています。高2修了までには全員が2級を取得することを目標にしています。
福泉 海外での語学研修も充実していますね。いくつかご紹介いただけますか。
草間 高2生全員が参加する英語研修旅行ではイギリスを訪れ、現地ではプレゼンテーションも経験します。ただ、この研修旅行は今後、内容を変更する可能性があり、イギリス以外の国も含めて検討しているところです。希望者対象のものとしては、イギリスのラグビー校と交流するサマーコース、最先端の医学・科学に触れるオーストラリア夏季語学研修などがあります。国内でもクロスカルチャー講座といって、留学生として日本の大学で学び、そのまま日本の社会で活躍している東南アジアの人たちと交流する機会があります。
上/物理・化学・生物の三つの理科室があり、中1・2の授業の多くで実験が行われています
下/建物1棟が自習室として開放されている「TLC」。1階・2階を合わせて約700席を整備
福泉 理科教育にも力を入れていて、実験に比重を置いた「SST(Super Science Todoroki Program)」という授業があると伺いました。具体的にはどのようなものですか。
草間 わたしはもともと理科の教員ですが、本校に着任してすばらしいと思ったことの一つがこのSSTです。まず中1・2の理科の授業は実験中心に構成されています。中1では物理と生物、中2では化学と地学、それぞれ2分野が週2時間ずつありますが、すべて実験を伴う授業です。事前に下調べをして、その後に実験をして結果をまとめる。それが毎時間行われています。「予習→実験→まとめ」の流れで年間、各学年とも100テーマ近くを扱っています。
理科は知識を学ぶだけでなく、自分の目で確認することが重要です。実験をしてみると、時には授業で学んだ内容とは違う結果が出ることもあります。それも理科のおもしろさです。SSTは失敗を通じてしっかり学びを深められるプログラムになっているのがすばらしいところです。理科教育の一つの理想に近いものができていると思います。
福泉 理科に限らず、授業ではプレゼンをする機会が多いそうですね。
草間 本校では、どの教科でも発言力やプレゼン力を磨くための効果的な教育方法を取り入れています。生徒たちは本当によく発表をします。着任してから60人近くの教員の授業を見ましたが、ペアワークやグループワークをして発表する、という形式がさまざまな授業で取り入れられています。授業のなかで課題を与えると、生徒は自分なりの考えをまとめ、隣の生徒やグループで情報共有と意見交換をして、まとめたものを発表します。どのグループもこれが非常にスムーズにできていて、最初に見たときは感動しました。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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