学校説明会レポート
灘中学校
2026年6月20日(土)
「精力善用」「自他共栄」の下
自分らしく伸びていく
灘中学校・灘高等学校は生徒の自主性を重んじ、校則や制服を設けない自由な校風で知られています。高い学問的志の下で、長年にわたり独自の教育を実践しています。その校是は「精力善用」「自他共栄」で、生徒・教員の双方がこの理念に基づいて日々の学校生活を送ります。教頭の久下正史先生は「生徒を細かな規則で縛ることはせず、自覚に基づいて行動するように促しています。灘校生としてのあり方を意識していれば、基本的には自由です」と語ります。
こうした教育方針を支える仕組みの一つが、「担任持ち上がり制」です。ある学年が中学に入学する際に8名ほどの教員で担任団が編成され、原則としてそのまま6年間、同じ学年を担当するというものです。各教科の進度や教材選定は担当教員に委ねられており、柔軟でありながらも一貫性のある指導が行われています。クラス替えにより担任は変わるものの、学年全体を見守る担任団の体制は維持され、高校からの入学生約40名が加わった後もそれまでの4クラス体制が継続されます。複数の教員が長期的にかかわることで、生徒一人ひとりの個性や成長過程を踏まえた、きめ細かい対応が可能となっています。
学習面では、進度が比較的速いのが特徴です。英語と数学は中2から高校内容に入り、早期に発展的な学びへ移行します。一方で、中学では指名制の補習を行うなど、基礎学力の定着にも配慮しています。中学段階では日々の宿題や小テスト、長期休暇後の考査を通じて、着実に学習習慣を身につけさせる方針です。高校では外部からの入学生と内部進学生が同じ教室で学びます。異なる経験や視点を持つ生徒同士が互いに刺激し合うことで、学びに多様性が生まれています。
年間約60講座が開講される「土曜講座」
将来の進路を考えるきっかけに
在校生の学校生活の様子も写真とともに紹介されました。各教室にはモニターやプロジェクター、Wi-Fiが整備され、生徒は1人1台のノートパソコンを活用して探究的な学習に取り組んでいます。授業は一方向の講義にとどまらず、生徒が主体的に質問し、対話を重ねながら理解を深めていく特徴的なスタイルです。英語ではネイティブ教員による授業が行われますが、クラスを分割して会話の機会を多く確保しています。柔道は中1から高1まで必修で、希望者は講道館初段の取得も可能です。
「土曜講座」は6月に3回、10月に3回行われ、年間で約60講座が開催されます。さまざまな分野の第一線で活躍する卒業生や専門家による講演などを聞くことができます。総合的な探究学習の機会として、生徒の興味・関心を広げるだけでなく、将来の進路を考えるキャリア教育の場としても機能しています。
学校行事においても、生徒主体の姿勢が貫かれています。文化祭や体育祭、修学旅行は生徒が中心となって企画・運営を担い、主体的に学校生活を形づくっています。クラブ活動も活発で、文化部・運動部を合わせて40以上の団体が活動し、8割以上の生徒が所属しています。複数の部に参加する生徒も多く、多様な活動を通じて人間関係を広げています。
久下先生は最後に、「灘校では、6年間で築かれる強い信頼関係の下、受験指導にとどまらない深い学びが実践されています。恵まれた環境と自由な校風のなかで、生徒は『精力善用』『自他共栄』の精神を実践しながら、自分らしい居場所と将来の目標を見つけていきます」と締めくくりました。
