受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 栄光学園中学校

不安との闘い

Y.Tさん お子さんの名前 Aさん

 コロナ禍で音楽教室が休講となり、新たな習い事としてサピックスに入室したのは小2の秋でした。
 ろくに準備せずに入室テストを受けた後も、家庭学習の習慣はなかなかつけられませんでした。基礎トレだけは何とか(まとめて)解かせていたものの、それすらも6年の途中で放棄する始末。
 両親ともにテレワークのないフルタイム勤務であることを言い訳にするようですが、テキスト整理すらしてあげられない日々が続きました。学校見学もほとんどしておらず、6年になってから土曜の午前中に連れて行くなど慌ただしくすませることになり、これも反省点の一つです。
 成績面では2年生から6年生まで偏差値40台後半から50台後半をうろうろしていました。悪い点をとると猛勉強し偏差値60を超えることもありましたが、継続しませんでした。ただ授業はいつも集中していたようで、どうしても分からない単元というのは少なかったです。4年余りのサピックス生活で上位クラスにいたことは1・2回でした。
 家庭学習に関しては頼りない状態でしたが、サピックスを休むことはほとんどなく、6年の後半には自分でも勉強するようになり、最終的な偏差値は55でした。受験校は実力校3校、安全校1校、チャレンジ校1校としました。直前期にはもっと安全校を受けたほうがいいのではないかとたびたび不安に駆られましたが、サピックスの先生に背中を押していただき、受験プランは変えませんでした。結果として合格と不合格がありましたが、安全校を受けるために志望校受験を諦めることはなく、本人としても納得感がある受験になったと思います。
 直前の3ヶ月は親が一番不安に苛まれます。その不安を本人にぶつけることはもちろん、不安のあまり出願校を安易に変えるということも良くありません。親の目からは勉強が足りないように見えても、本人は想像以上に多くを吸収しています。子どもの力を信じて見守っていれば必ず良い結果に繋がります。
 私は、サピックスに通った日々はそれ自体が素晴らしい経験であり、試行錯誤しながら勉強したことや天才的な同級生たちや信頼できる先生方に出会えたことはこの先の子どもの人生において糧となるはずだと自分に言い聞かせて秋から冬を乗り切りました。先生方がおっしゃるように、子どもは受験の日まで伸び続けます。息子が栄光の算数である程度点が取れるようになったのは12月でした。(それまでは10点しか取れない時もありました)
 「GSが始まったらやめる」、「夏期講習の前にやめる」、「冬期講習の前にはやめる」と前言を撤回し続け、受験当日の朝もゲームをしていた息子でしたが、受験を終えた後の、「中学受験ではやるべきことをちゃんとできていなかったから、中学に入ったらちゃんと復習する」という言葉が我が家にとっての一番の収穫といえるかもしれません。親としては「中学に入ったら」の部分に若干の不安は覚えるわけですが。

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