息子は通塾日数が増える四年生のタイミングで他塾から家の近くにあるサピックスへ転塾してきました。サピックスは進度が速くついていくのが大変と聞いていたので、どうなることかと心配していましたが、四年時は一番上のコースでスタートしました。入室早々の第一回目の授業は体調不良で欠席。こんなスタートで大丈夫だろうかと不安は増すばかりでした。しかし、第二回の授業を終えて理科の先生がお電話を下さり、息子が自分らしく授業に積極的に参加していると知り、安心したと同時に、サピックスの子供の好奇心をひきつける授業のクオリティの高さを実感し、ここについていけば悪いことにはならないなと確信しました。
　「授業をしっかり聞いて、課題をやり、間違えた所はきちんと直す。」このサイクルがうまく回り、四年時はメダルも頂き、文句なしの成績を収めることができました。この時、私はこの成績をキープすることにしか目が向いておらず、オーバーワークを息子に求めていました。息子はやってもやっても終わりの見えない勉強がだんだんと辛くなり、けんかも増えていきました。この頃の私の口ぐせは「勉強をやらないならサピックスをやめる」でした。今思えば、彼なりにはやっていたんです。けんかが増え家族の雰囲気も悪くなった頃、主人が「もう終わりにしよう」と言い出しました。今までは「やめたくない」と言っていた息子も「やめる」とはっきり言い、やめることになりました。主人も私も本心では続けて欲しいと思っていました。やめることになり、大量の勉強から解放されたものの、息子はどう時間を使ったら良いのかとまどっていました。私もすぐに気持ちを切り替えられず、もんもんとしていました。悩んだ末、話し合い、ペースを落としてやめないことにしました。このことがきっかけで、五年生からは親はあまり口出しをしなくなりました。しかし成績は下がる一方。本当にこれでいいのかと常に自分との葛藤でした。
　六年生になりいよいよ受験学年。本人の希望と成績の差に親はヒヤヒヤするものの、本人は焦りは全く見せませんでした。どうしたものかと初めての面談に主人と二人で参加しました。変更した方がよいと言われると思い向かった面談では、先生から「頑張りましょう」と心強いお言葉を頂き、正直とても嬉しかったです。
　冬は苦手な速さを中心に算数の演習を続け、一月はずっと逃げ続けていた社会の年号暗記、コアプラスにも取り組みました。不安なことや勉強の進め方で分からなくなった時にはその都度先生に相談させて頂きながら、最後の最後まで頑張りました。結果、熱望校を二回受験しましたが届かず。とても残念でしたが、この受験を通して子も親も大きく成長したと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです。