受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 海城中学校

絶対に夢をあきらめないで

T.Iさん お子さんの名前 Aさん

 SAPIX入室は新4年の1月です。それまで受験は全く意識しておらず最初は手取り足取り大変でした。5年からは比較的自走するようになりました。クラスは真ん中より上に行ったり下に行ったりでした。
 我が家は、短期的成果よりは、勉強の意義・楽しさ、今学んでいることが実社会・学問にどんなふうにつながっているか、社会の諸問題の会話を大切にしてきました。息子は夕食時のクイズ大会をとても楽しみにしていて、これは長期目線でとてもよい効果を発揮したと思います。
 最大の危機は、新6年生の2月。息子は風邪をきっかけに倦怠感が抜けなくなりました。親として大切なのは気持ちの持ちようです。周りの方がアドバイスをくださいました。子育てとは親が何もできないという達観である、親は「木の上に立って見る」です、子供を信じて待ってください。これらは支えになりました。そんな中、息子は突如海城に行きたいと言いだしました。息子には、絶対に夢をあきらめない、未来はバラ色で今でも一切曇っていない、一歩一歩でいいからSAPIXに復帰する計画を立てよう。そう話しました。そして、5か月のブランクを経て、SAPIXに復帰できました。
 幸い、本人が勉強のありがたみを痛感し、また、ポジティブに認知する力を身につけ、睡眠時間の重要性を認識しました。本人が弱点をリストアップし、遅れを挽回する無理のない計画を立て、着実にやっていきました。また、ようやく継続の力を認識しました。私が紙に毎日やることの日付を書き、チェックさせました。これがやればできる!という気持ちを生み、ポジティブサイクルを回しました。遠回りをしたが、得た経験が新たな高みに持ち上げてくれたのです。
 志望校は海城とは言いだしたものの、実はまだ見に行ってもない学校。9月に海城の文化祭に連れていき、完全に息子の心をとらえました。
 11月、どんな親にもクライシスが来ますと言われる時期。我が家にはクライシスはありませんでした。過去問で合格者平均点をとれていることもあったでしょうが、チャレンジだけで御の字、もし落ちたとしても経験と学力が無駄にはならない、中学受験は人生の最初のステップに過ぎない、そう達観しました。また、家庭内の安定が重要と考え、内心動揺することが多々ありつつも、どしっと構えました。
 2月2日、息子が海城受かってる!といったあの瞬間を忘れられません。息子は困難の中から全く新たな道を作ったのです。そんな息子に誇りを感じます。
 我が家は特殊ケースです。でも、お伝えしたいことは、第一志望は決してあきらめない、第一志望こそが強力なモチベーションになる、親は子供を信じてひたすらどっしり構える、子供を叱らずほめてモチベーションを高める、過去問が解けていれば偏差値を過剰に気にする必要はない、です。
 SAPIXの先生方、受付の皆様、大変お世話になり、深く感謝申し上げます。

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