受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

我が子の笑顔が見たいから

M.Mさん お子さんの名前 Sさん

 「子供の気持ちに寄り添い、信じて応援し続ける」。子を想う親として、これほど大事なことはないと痛感した中学受験でした。
 「生き物や理科について、もっと話せる友達や学べる中学校に行きたい。」そんなぼやきを始めた息子が小学4年生の2月、サピックスに入室しました。正直、名だたる学校の合格実績を持つサピックスの高度な授業とスピードについていけるのか心配しました。しかし、体験授業の後「サピックスはこれまで知らなかった面白い話がいっぱい聞けた。難しい問題も解けるようになるのって楽しいね!」と話す清々しい顔に「この子の気持ちに寄り添おう、応援しよう」と決めたのでした。
 我が家は夫婦共働きで、小学校低学年と保育園の二人の妹がいます。受験生となった長男である息子の勉強サポートは、時間と労力の捻出との戦いになりました。塾帰りの夕食の時間、たわいない団欒の中で授業の話を聞いて「モチベーション」や「学習の理解度」を探ってみたり、子供達の就寝後にテキストとノートを見て、苦戦していそうな単元を把握したり。特に算数は間違えた問題をピックアップして「れんこんの穴埋めノート」と題し、解法を正しく習得しきるまで解き直しを促しました。マンスリーや模試は、間違いやすい問題の傾向、不安な単元をあぶりだす絶好の機会でした。
 6年生の春頃から息子は第一志望校を思い描くようになりましたが、算数を筆頭に偏差値は足りていませんでした。しかも、息子は併願校のボーダーラインを決めてしまい、持ち偏差値の前後5辺りしか「通いたいと思える学校がない」と頑なでした。親としては、併願校は幅広く選べたら安心なのではと不安になりましたが、今思うと「ずっと必死に勉強してきた、僕はサピックス生なのだから」というプライドだったのかもしれません。
 入試約2か月前に、夢に近いような学校に挑む息子の想いに寄り添いきれるか不安が押し寄せた頃、サピックスの先生との面談でいただいた言葉が「第一志望校、彼に合ってますよね。この第一志望と併願の組み方で大丈夫ですよ。」という導きでした。塾で奮闘する息子をずっと見守って指導してくれた先生が信じている息子の力。親がその力を見据えてあげられないとは、と目が覚める思いがしました。学習の進め方を最終確認し、後は息子が頑張れるペースに合わせて日々学習スケジュールを調整しました。最後の1か月は息子曰く「訳がわからないくらい勉強したよね。後悔したくなかったから、必死だった」。家族は一丸となって「勉強に集中できて、心身健やかに過ごせる環境作り」に徹しました。入試期間は早朝の出発にも関わらず妹たちも「必勝」と書かれたうちわを扇いでエールを送ったりと、和やかなひと時がありました。
 そして、全てを終えた息子の言葉に、家族皆が涙と笑顔でいっぱいになりました。
 「僕の受験、大成功だった! みんな、ありがとう。」

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