「サピックスに行くよ」
　近所の塾を見た中で息子が選択し、３年生２月からお世話になりました。学校とは違う活発な授業、頭の回転が速いお友達が新鮮だったようです。帰ってからの今日面白かった授業の話は寝る間際まで続き、もう寝たらと言ったこともありました。
　理科が得意で、算数はやればなんとか、国語は波があり、社会は苦手な息子でしたが、４・５年生は長い夏休みを上位クラスで過ごせていました。今思えば夏休みは苦手の克服をすべきでしたが、毎日のテキストに追われて過ぎていきました。しかも５年生は週３回通う事で満足し、漢字やコアプラスの定着がきちんと出来ていませんでした。
　そして迎えた６年生、反抗期に入ったこともあり成績は低迷、サピックスに行きたくないと言われ、基礎トレは真っ白、やる気も自信も失った息子が居ました。また６年生の夏休みは上位クラスではありませんでした。親は慌てて他塾を勧めたり、中学受験撤退を考えましたが、息子はサピックスをやめるとは言いませんでした。先生方には都度都度ご相談し、息子に声掛けしていただきました。自宅学習が出来なくても授業には出よう、息子なら志望校に受かるよと言っていただき、なんとかＳＳ特訓まで辿り着きました。
　「慶應普通部にする」
　ＳＳ特訓に向けての第一志望校はまたもや息子が選びました。息子は説明会で見た学校の雰囲気、労作展に心惹かれていました。親は午後受験が難しい点、体育実技や面接がある点を心配する一方で理科に特徴がある点や４科目均等配点である点に勝機があるとも思えました。そうは言っても２度の学校別ＳＯは合格可能性30％、12月最後に添削提出した過去問は30点、最後のクラスは中間でした。親は好きになれる併願校を見つけて精神を落ち着け、息子の挑戦を見守りました。
　ＳＳ特訓の教材は素晴らしく、入試そっくりの算数はコピーして繰り返し解きました。苦手な社会はＳＳ単科講座のおかげで点が取れるようになりました。
　そして迎えた入試１週間前、ようやくエンジンがかかった息子が居ました。まだ手をつけていない過去問を自分で選んで取り組んでいました。サピックスでは年内に過去問を終わらせましょう、とご指導を受けていましたが、10年分解くと言われる過去問が終わったのはこの時です。
　ギリギリで努力した息子は、入試会場から出て「出来た、算数は80点以上の手ごたえ」と言っていました。良かったという気持ちと同時に、時刻は15時半、予定していた午後受験は叶いませんでした。
　翌日電車の中で合格を確認し、今までの日々が報われた事を喜びました。
　直前の頑張りでも間に合ったのはサピックスの授業だけで土台が出来ていたからです。何度も息子に話をしていただき、支えてくださった先生方に心から感謝いたします。