我が家の受験は３年生の夏からでした。実は、当初は違う塾に通い、妻も私も別の学校を受験校として念頭に置いていたのですが、息子を文化祭に連れて行ったところ、なんと麻布か駒東に行きたいと言ったため、親子ともに覚悟を決めてＳＡＰＩＸへの転塾を決めました。
　小学生男子といえば、玄関にランドセルを放り投げてタッチアンドゴーで遊びに行くような年齢です。息子も同様でしたが次第に勉強時間が長くなっていき、机に向かう時間が長くなりストレスが増えないか心配でしたが、歴史が大好きなため、日本史マンガや三国志マンガを何度もリピートし、顕著にストレスが増えることはないばかりか、社会だけは苦労することはありませんでした。
　しかしながら、算数と国語（特に記述）には最後まで苦労しました。算数はとにかくケアレスミスが多く、最後の答えを出す計算でのミスが目立ちました。ＳＡＰＩＸの先生にも何度も相談し、答えを出したら最後の計算だけはすぐに見直すといった方法を直接ご指導いただき、２月１日の１週間前になんとかミスが減ってきました。国語は記述力がなかなか向上せず、記述問題が必ず出題される駒東の受験に向けて、本文を確認→解説を確認→本文を確認→解答を書き直し（→模範解答を確認）という流れを何度も繰り返すことで少しずつ記述力が向上していきました。おかげで、ＳＳ特訓が始まる頃には少しずつ得点力をつけることが出来ました。
　また、ＳＡＰＩＸに転塾する際、息子と一つだけ約束したことがあります。それは、基礎力トレーニングは必ず毎日やること。これだけは欠かさずやり遂げました。おかげで朝食→ラジオ体操→基礎力トレーニングと朝の勉強にスイッチを入れるルーティンが確立したのはとても効果がありました。
　加えて、ＳＡＰＩＸに通う上で特筆したいのは質問教室。息子は解説を見てもわからないと思考が停まってしまうので、そのような問題は必ず質問教室で先生の解説を聞くようにしていました。親がどんなに解説しても理解しませんが、先生の解説だとすぐに理解できる、やはり先生の指導力と信頼は到底親では代わり得ないと思いました。
　そして、２月１日、息子は駒東を受験できるための対策はやり切ったと自信をもって試験に臨みました。試験会場に臨む息子の背中は４年前の小さな姿ではなく、大人の階段を昇る逞しい姿に変わったことが脳裏に焼き付いています。
　２月２日の合格発表日、とても寒い雨模様でしたが、息子は結果に拘わらず合格発表は自分の目で確認したいと言ったため、一緒に掲示板を確認しました。自分の番号を見つけた瞬間、人目も憚らず抱き合って泣きました（息子と抱き合うのはこれが最後かもしれません）。
　中学受験は長い道のりですが、ＳＡＰＩＸのテキストとルーティンを守ることで２月１日に全力を出し切ることが出来たと思います。本当にありがとうございました。