息子がＳＡＰＩＸに入室したのは４年生の頃。ＳＡＰＩＸの授業は息子にとっては大変刺激的だったようで、塾から帰ってくると、習ったことを楽しそうに話して聞かせてくれました。組分けテストでは、点がとれず苦労もしましたが、クラスの昇降には一喜一憂せず、テスト直しや苦手分野の克服に注力するよう心がけていました。
　夏前までは別のチャレンジ校を目指していましたが、６年秋のＳＯで成績がふるわず成績が下降気味に。ちょうどその頃、以前から気になっていた芝中学の学校説明会があり、息子を連れて行きました。芝の校長先生の話を聞くうちに息子はどんどん引き込まれ、「とても良い学校だったね」と気になるように。志望校変更のデッドラインは11月の３回目のＳＯの頃まで、と聞いていましたが、現状の成績を鑑みた上で息子と話し合い、息子自身から「志望校は芝に変えたい」と宣言されました。残り少ない期間での方向転換となりましたが、これまでの志望校と芝の傾向が似ていたこと、学校の雰囲気も息子に合っていると感じたことから、志望校を芝に変え、方向転換を図りました。芝も息子の持ち偏差値からすると＋５のチャレンジ校でしたが、「芝へ行きたい！」という一心で、息子は11月下旬から過去問に取り掛かりました。残り少ない時間でしたが、１月頃まで９回分の過去問に取り組み傾向を摑みました。芝の国語は記述中心ですが、記述力の強化には苦戦しました。ＳＡＰＩＸの先生から「毎日記述に触れて書く練習をして下さい！」とアドバイスを頂き、６年冬以降はＳＳ国語読解力や志望校対策プリントの問題に毎日触れたり、個別塾ＰＲＩＶＡＴＯにもお世話になりながら、最後の数か月で記述力を強化することができました。
　１月中の努力が実を結び、第二志望の立教新座中にも合格。その合格を胸に、自信をもって２月の受験に向かうことができました。
　そして迎えた２月１日。いつも振り返って私の方に手を振っていた息子が、一度もこちらを振り返ることなく、憧れの志望校に吸い込まれていくのを見て、息子が親を離れていく時期が来たのだということ、合否の結果に関係なく、ここまで勉強を重ね、成長できたプロセスが素晴らしかった、と心の底から思い、清々しい晴れやかな気持ちになれました。
　１日の夜、祈るような想いで見たＰＣの画面に「合格」の文字が飛び込んで来た瞬間、歓喜の声を上げ、親子で抱き合いました。「２月の試験のその日まで、お子さんは伸びていきます！」という、以前先生方が仰っていた言葉は本当にその通りでした。最後まで諦めずに粘り強く、希望をもって突き進むことが何より大切だということを学んだ３年間でした。親子二人三脚で受験に向き合った３年間も、終わってみると何物にも代えがたい貴重な経験、一生の宝物となりました。改めて、息子に学ぶ楽しさを教えてくださった先生方、ＳＡＰＩＸの皆様には本当に感謝しています。