受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 筑波大学付属駒場中学校

最後まで諦めない

K.Sさん お子さんの名前 Mさん

 我が家の中学受験は、4年生の11月に入室したことから始まった。偏差値は50台後半から、努力を重ね、6年前期に60台後半まで上昇。しかし、6年後半に各教科の成績が上下し、安定しない時期が続いた。それでも、本人は第一志望校を諦めず努力を続け、ついに合格を勝ち取った。
 好きってなんだ─それを再確認できたのは、筑駒の繰り上げ合格の電話を受けた瞬間。「ほんと?! ほんと?! ほんと?!」と何度も繰り返し、その後、「これから毎日、水田の中にいられる! 毎日、あの生物部に通える!」と目を輝かせた。こんなにも好きな場所だったのに、不合格画面を見つめ沈黙したあの日。「ママ、切り替え! もう終わった! しょうがないよ! 僕はもう大丈夫! これからの人生80年の中のたった6年間、開成で楽しくやれるよ!」と私を慰めた姿は、小さな体が大きく見えるほど立派だった。この「好き」という気持ちこそが、最後まで努力を続ける原動力だった。
 開成・筑駒の算数は我が家にとって最大の難関だ。このレベルの子たちの理社の差がなく、算数か国語で勝負するしかないと考えた。9月から、理社は授業で消化、国語は質問教室を活用し、自宅で算数に集中した。SSの開成対策プリントを計画的に時間厳守で解き直し、塾で行う分も含め5~6回繰り返した。土日のプリントの間違い直しを徹底し、振り返ることを習慣化。順調に力をつけていると思っていた矢先、冬期講習と正月特訓が始まった。しかし、得点は20~30点の連発。心が折れそうになる中、さらに肺炎で塾を休み、課題も山積みに。それでも、彼は「大好きな学校に合格したい」という強い気持ちで、私の立てたスケジュールに必死に食らいついた。
 渋幕受験の前には、特訓の課題、算数の平常授業の教材、立体図形、超図形のすべてを終え、見事に合格。その後、塾と相談し、冬期・正月の対策プリントをすべてやり直し、過去問も解き直した。1日2セットのペースで取り組んだ結果、3割程度しか取れなかった対策プリントは7・5~8・5割まで上昇。過去問でも8割以上の得点になり、自信が溢れ、希望が見えてきた。強い信念を持ち、努力を続けることが、確実に力となると実感した。

◆やってよかったこと

①塾との連携:迷ったときや不安なとき、塾に相談。その度に「なるほど」と思えるアドバイスをもらえた。

②基礎の徹底:基礎を固めることで、後半に理・社・国の時間を算数に充てることができた。着実に算数の力をつけた。

③スケジュール調整:子供に合ったスケジュールを繰り返し試し、必要に応じて修正。

④夫婦間の協力:決定権を一人に委ねることで、ブレない方針を貫いた。

 中学受験という道は、子供たちが自分と戦い、ライバルと競い合い、転びながらも立ち上がり、黙々と成長していく過程。この先の見えない道を、親と先生が手を取り合って照らすことが大切だと実感。そして、子供たちは必ず成功を手にすると信じている。

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