受験との向き合い方は子どもの個性にも依り、絶対的な正解はないと思いますので、この体験談はこれから受験をされる際の一つの参考として扱っていただければ幸いです。

　息子は新小４の２月からサピックスに入室し、とても楽しそうに通っていました。ただ、家庭学習として指示された内容を全て終えられない事があったので息子に声を掛けるものの、反発されることがありました。サピックスの先生にその事を相談し、どうしても伝えたいことがあるときは、先生から息子に伝えてもらうことにしました。

　６年生の春、成績が伸びて本人は満足したのですが、それが油断となり、夏休みは勉強が捗っていない様子でした。６年の夏休み終わりに悪い予感が的中し、本人は偏差値が下がってショックを受けていました。そこで厳しいとは思いましたが、『努力しなければ結果は出ない。来年、自分が中学生になった姿を想像し、春に好調だったときを思い出して欲しい』と話したところ、再び真剣に取り組むようになってくれたと思います。
　その後、６年生の秋、偏差値をもう一段階引き上げたいと思ったので、サピックスの先生に相談し、算数を教える事を御了承いただきました。その際、国語はしっかり見ますと言っていただいた事は、とても助かりました。

　算数の偏差値を引き上げる際、まず子どもの普段の解答内容を把握し、計算力や身に付けている解法レベルを確認しました。確認の結果、私が昔、小学生の時にＳＡＰＩＸの先生方に習った考え方で、思考力を鍛えれば、今のＳＡＰＩＸの先生方の教え方ともバッティングしないだろうと考えました。

　具体的には過去問やサピックスオープンの見直しをする際、

・算数で問われる思考力とは何か？

　（それぞれの私立中学の先生方は、受験算数を通じて受験生の何を問いたい？）

・すぐに解法が思いつかない思考力を問う問題への取り組み方

　（ただし他に取りやすい問題がないかを判断する力も重要）

の二点を理解させることにしました。

　なお、特に過去問を見直す際には、上記二点に加えて、各私立中学の先生が、受験生がどのような生徒に来てほしいのか、また正答に辿りついたときに何を感じて欲しいのかを合わせて説明するようにしたところ、興味を持ってくれるようになりました。

　その後、受験直前まで続くＳＡＰＩＸでの授業との組み合わせと思っていますが、解答の書き方が日々、良い方向に進歩していった事を実感しました。

　中学受験を通じて以下の事を身に付け、体験させることができたと思っています。

・小学生として十分な思考力

・苦しい時でも努力と工夫を続けて、状況を好転させた経験

・将来、自分が可能性を広げる為に勉強が必要である事を実感

　成績の上下もありハラハラした受験でしたが、無事終了できました。最後になりましたが、ＳＡＰＩＸの先生方、受付の皆様、警備の方、お世話になり有難うございました。