手に汗握る。最後の合格発表は、自宅玄関。家の扉を開けると、そこには合格者番号の一覧が貼り出されていた。そこに自分の受験番号を見つけた瞬間、僕の「全勝」が確定し、ガッツポーズをした。共に下校していた友達も見守る中、僕の受験生活が幕を閉じた。ちなみに、この最後の合格発表は、僕の登校中にあり、先に母がネットで確認をしていた。母は仕事で不在で、この「貼り出し」の演出をしたのだった。おかげで、番号を探すドキドキ感を味わえた。
　僕は３年生でサピックスに入室し、その後、順調に成績は下降していった。いい加減なので、いつも先生には怒られていた。しかし、６年の夏期講習が始まる頃、他の校舎へ移動することになった僕は、それを機にはい上がり始めた。秋には志望校すべて合格可能性80％以上をとれるようになっていた。それでも、いわゆる「スイッチ」は入らないまま、最後のＳＯになり、また成績は下がっていた。僕は楽天的な性格だったようで、「まぁなんとかなるだろう」と思って焦らなかった。なぜかずっと心には余裕があった。それは「秋に合格可能性80％を超えていたこと」と「普段のＳＳでちゃんと点を取れていたこと」、そして「過去問がちゃんとできるようになっていたから」だと思う。余裕の心のまま、受験前日も一日も学校も休まずに元気に小学校へ登校したのは誇りでもある。
　とはいえ最後に僕は、まだ受験生ではない方々へはこう言いたいです。「今は頑張って勉強してください」。僕は今も、「死ぬほどやった」と言えるほど、胸を張れません。もっとちゃんとやればよかったという後悔は、今もあります。
　そして、今この冊子を読んでいる受験生へ。試験に受かっても受からなくても、受験をするために努力したという自分を褒めてあげてください。そして、小学校生活の残り少ない日々をめいっぱい楽しんでください。僕は受験に挑む全ての人に良い結果となるよう願っています！