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スクールナウ

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2026年10月号から転載

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森村学園中等部・高等部

「独立自営」の精神を受け継ぐ
森村グループとの連携教育が
本格始動

創立者・森村市左衛門が掲げた「独立自営」の精神を受け継ぐ森村学園中等部・高等部。日常に異文化が溶け込む国際教育やICTを活用したSTREAM教育など、幅広い学びを展開しています。2026年度からは森村グループ各社との教育連携もスタート。世界を舞台に活動する企業の現場に触れ、生徒たちは創立者の精神を「生きた学び」として体感しています。校長の岡真由美先生に、その狙いと具体的な内容について伺いました。

創立者の精神を企業の歩みから知り
挑み続ける姿を自分の未来につなげる

校長 岡 真由美先生

校長 岡 真由美先生

森村学園の教育の根底にあるのは、創立者・森村市左衛門の精神です。明治から大正時代にかけて、日米貿易の先駆者として世界で活躍した市左衛門は「独立自営」を掲げ、みずからの力で道を切り開く大切さを示しました。その精神は、時代が変わった今も同校の教育に受け継がれています。2025年に校長に就任した岡真由美先生は、この「独立自営」を歴史上の理念として学ぶだけではなく、生徒たち自身の価値観や行動につなげられるものにしたいと考えました。そこで着目したのが、創立者が設立した貿易商社「森村組」の流れを汲む森村グループ各企業との連携です。

森村グループには、ノリタケ、TOTO、NGK(旧・日本ガイシ)、日本特殊陶業など、日本を代表する企業が名を連ねています。いずれもセラミックスをはじめとする技術を基盤に、国内外で事業を展開してきました。創業時からものづくりにこだわり、時代の変化や社会の課題に応じて、新たな技術や製品を生み出してきた歴史があります。「森村市左衛門が歩んできた道や、建学の精神『独立自営』を生徒たちに五感で体感してもらいたいと思いました。世界で活動する企業も、最初から成功していたわけではありません。失敗を重ねながら製品の改良を続け、次の時代に必要とされるものを生み出しています。そうした本物の現場に触れて、『失敗を恐れず挑戦してほしい』というメッセージを、実感を伴う学びとして伝えたいと考えました」と岡先生は話します。

2026年度から本格始動した「森村グループ連携プログラム」は、こうした思いから生まれました。中1では、以前から創立者の生涯や功績を学ぶ「森村市左衛門研究」を行っていましたが、今回の連携では、この学びを現在の企業活動や社会とのつながりへと発展させます。創立者の精神を受け継ぐ企業の姿を見ることで、「挑戦するとはどういうことか」「社会に貢献するとはどういうことか」を、自分事として考えます。

「ノリタケの森」でものづくりを体感
社会とのつながりへと視野を広げる

その第一歩として、職業研究を行っている中2を対象にNGKの講演会が行われ、この夏、中1~3対象の「ノリタケの森ツアー」と、高1・2対象の「NGK・ノリタケ探究ツアー」が実施されました。これらは希望制ですが、関心の高さから定員を上回る応募があったといいます。

中等部生が訪れたのは、名古屋市の「ノリタケの森」です。ここでは、1904年の創立時から続くノリタケのものづくりの精神について学びました。生徒たちは森村グループの歴史展示コーナーなどを見学し、日本初の純白ディナーセットの製造に挑んだ先人たちの歩みに触れました。「ノリタケと聞くと、食器を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、現在は工業用研削研磨工具や電子部品材料など、社会を支える分野で事業を展開しています」と岡先生。生徒たちは、社会の変化やニーズに応じて事業領域を広げてきた歴史を知り、「ものをつくる」ということの意味を多角的に考えました。

さらに、磁器の一種「ボーンチャイナ」の製造工程を見学した後、絵付け体験にも挑戦。自分で考えたデザインを皿やマグカップに施し、美しい食器を生み出すための工夫や技術にも目を向けました。「単に美しい食器を見るだけではなく、社会の課題を解決するために事業を広げていった歴史を知ることに意味があります。『良品をつくる』という信念のなかに、市左衛門の精神が今も息づいていることを生徒たちは感じ取っていました」

一方、高等部生はノリタケの森に加えて、NGKグループの共創施設「NGK Collaboration SquareDIVERS」および隣接する工場を見学。ここで生徒たちが学んだのは、企業の華やかな側面だけではありません。技術開発の過程で生じた失敗など「影」の部分にも目を向けました。特に印象的だったのが、NGKの歴史を展示する「D-Reflection」です。過去の失敗や重大な過失を隠すのではなく、そこから何を学び、どのように再発防止や企業の変革につなげたのかを伝える展示を通して、生徒たちは失敗との向き合い方を考えました。

質疑応答では、人事担当者や技術者から仕事への思いや、一緒に働きたい人物像についても話を聞きました。実際に働く人のことばに触れたことで、企業を身近な存在としてとらえ、自分の将来や進路について考えるきっかけにもなったといいます。

  • 絵付け体験を通して、ものづくりの楽しさと表現する喜びを味わいました

    絵付け体験を通して、ものづくりの楽しさと表現する喜びを味わいました

  • ノリタケの祖業である食器事業に加え、最先端のセラミック技術や研磨技術の展示を見学しました

    ノリタケの祖業である食器事業に加え、最先端のセラミック技術や研磨技術の展示を見学しました

  • 高1・2はNGK役員の方から、学園と共通した会社の理念を継承していく大切さについて学びました

    高1・2はNGK役員の方から、学園と共通した会社の理念を継承していく大切さについて学びました

「失敗することには価値がある」
挑戦する教員の姿が新たな学びを生む

ツアーを終えた、中等部生からは、「市左衛門先生の理念が今も受け継がれていることに感動した」「ものづくりには技術だけではなく、挑戦する気持ちが大切だとわかった」という声が聞かれました。高等部生からも、「知らなかった技術の魅力がわかり、自分の世界が広がった」「進路を考えるうえで、大きな学びになった」という感想が寄せられています。引率した先生方も、生徒たちが目を輝かせながら質問する姿に「単なる見学を超えたキャリアへの目覚めがあった」と手応えを感じています。

岡先生がこのプログラムを通じて特に伝えたかったのが、「失敗することには価値がある」ということです。森村市左衛門も、日本初のディナーセットを完成させるまでに、着想から10年、工場設立から10年の計20年、試行錯誤を重ねました。「成功の陰には多くの失敗と挑戦の歴史があります。今の生徒たちは一生懸命に取り組む一方、失敗を恐れて一歩を踏み出せないところもあります。でも、中高時代はいくら失敗してもいいのです。失敗しても、また挑戦すればいい、そんな土壌をつくっていきたいと思っています。小さな達成感の積み重ねが、社会に出たときの力になるはずです」と強調します。

この「失敗を後押しする文化」は、教員にも広がっています。「教員が専門性を生かし、挑戦する姿を見せることが最高の教育になる」と岡先生は考えています。今年新設された「STREAM 教育推進室」や、生徒の要望から生まれた「社会科ゼミ」など、教員と生徒が刺激し合って、新しい学びも生まれています。「森村学園には、皆さんの可能性を引き出すための、たくさんの『種まき』があります。自然豊かな環境で伸び伸びと過ごしながら、自分が本当にやりたいことを見つけ、ぜひ挑戦してください。森村学園で皆さんに会える日を楽しみにしています」(岡先生)

共学校 私立 神奈川

森村学園中等部・高等部

〒226-0026 神奈川県横浜市緑区長津田町2695 東急田園都市線「つくし野」駅より徒歩5分 JR横浜線・東急田園都市線「長津田」駅より徒歩13分
学校サイト

Information

www.morimura.ac.jp/jsh/admission/event/

※学校説明会などの情報は上記よりご確認ください。

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